月別アーカイブ: 2018年9月

織実習「布を織る」 本科 諸岡 珠永

今回の織の課題は絵画を一つ決め、縞をデザインし、8mの布を織るというものでした。
私はゴッホの〈夜のカフェテラス〉を選んで、縞のデザインを考えました。

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絵画の中から選んだ4色でも隣り合う色や縞の幅によって雰囲気、印象が変わり絵画の雰囲気を落とし込むというのが難しいと感じましたが沢山の組み合わせ、見せ方があるのだと実感しとても面白かったです。

経糸の整経では二本ずつ確認しながら集中してするためとても時間がかかりましたがとても楽しい気持ちでできました。
ただこの時にテンションが均一になっていなかったので後の後ろ付けと前付けの時にテンションを全体で合わせるのが少し大変になってしまいました。
また、糸が細く伸びやすいため、経糸を機にかけるときが大変でした。
特に綾返しの時に糸が絡まないように経糸をさばいていくときにはその時までに糸にかかった負担が糸の伸びという形で出てきました。
糸が伸びてしまうと千切に巻き取るときに絡まってしまったり糸が切れたりしてしまいます。そのため伸びた糸を後ろに引っ張ってテンションを合わせていきました。
一つ一つの作業はつながっていてそれぞれ丁寧にしないとどこかでしわ寄せがくるのだと知りました。

試織をして緯糸の色を決めるのは思った以上に大変でした。緯糸の色で雰囲気が変わり理想の雰囲気の色がなかなか見つかりませんでした。
最初はネイビーや青で考えていましたが試織をしてみると横糸が暗すぎると経糸の白や黄色が潰れてしまうことがわかりました。青、灰色系統で色々と試してみて暗い灰色に決めました。

織り始めてからはとても速かったように思います。最初練習で30㎝程織りましたが左右の端がきれいにならずそろえるのに苦労しました。はじめは織ること自体が難しく1時間で10㎝程度しか進みませんでした。だんだんと慣れてくると時間も気にすることなく楽しく織ることができるようになりました。

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最後に織りあがった布と風呂敷を一緒に飾りました。織るときは真上から40㎝ほどしか見えていなかったので7mほどの縞と風呂敷を一気に見たときにはこれを織りあげたのだと強い達成感を感じました。
緯糸を染めるときに思っていたよりも濃度が薄くなってしまい淡くなってしまったと思っていましたが、離れてみてみると暗すぎずこの暗さでよかったのだと思いました。
近い距離で見ている時よりも少し離れた方が冷静に見れてもっと自分の縞が好きになれました。

縞のデザインは自分が意図しないところでうまくいっていたり面白い縞になっている部分が多かったのでどうして面白くなったのかを理解してこれからの制作にいかしていきたいと思います。

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織物がわかる5日間を受講して

8月開講のワークショップ「組織がわかる5日間」に参加しての声を広島県・笹村さんからいただきました。

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1年ほど織と染めを学んだ私ですが、織る楽しみは知っているものの、織り始めるまでの準備は骨が折れると実感。
今回、縁あって知り合いよりルクルークの機を譲ってもらいました。
しかしながら今まで使った高機とは全く異なるので、まずは機の使い方を知りたいと思い、この講座を申し込みました。

初心者向けの講座ということもあって、機道具の説明からタイアップ、経糸の準備までの工程を1つ1つ丁寧に教えていただき、今まで織りに持っていた苦手意識や疑問も解けました。
使う糸もやや太めなので、50代の私でも綜絖通しがスムーズに。
そしてこの機なら、自宅で1人でも準備からできるという自信がつきました。
先生に気軽に質問でき、他の生徒さんとも教え合ったりと、講座は和気藹々とした雰囲気。
テキストをもとに基本的な講義もあり、ついにはドラフト図(組織図)もわかるようになりました。
最後の自由作品制作ではランチョンマット2枚を作りました。

自宅が広島なので寮を利用しましたが、浴室もゆったり、食堂の食事もおいしく快適に過ごせました。
ランドリーにはアイロンもあり、おかげで少ない着替えでもやり過ごせました。
家に戻ったらもう一度同じ糸で織りたいと、講座で使った糸やシャトル、筬立てを校内で購入できたのもよかったです。
できれば今後も、毎年1回は何らかの講座でまたここを訪れたいと考えています。

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こちらの講座は、手織りを始めたい方、機の使い方を学びたい方、ブランクがある方などにおすすめの講座です。
次回は2月4日(火)から開講しますので、ご興味のある方は是非ご参加ください。