専攻科

鶴屋吉信にて作品展示 専攻科 萩原千春

京都の老舗和菓子店の鶴屋吉信京都本店の一階店舗から二階茶屋•お休み処へと続く階段の踊り場に制作したタペストリーを展示して頂いています。
二階では職人さんが目の前で生菓子を作ってくれ、お抹茶と一緒に食べることが出来ます。
そんな素敵な空間に飾る為のタペストリーを作らせて頂くことになりとても嬉しく思いました。

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今回の作品のタイトルは「和敬清寂」で茶道にとても深い関わりのあることばです。
「和」…和合・調和・和楽
「敬」…お互いに敬い合う
「清」…清らかと言う意味ですが、目に見えるだけの清らかさだけでなく、
心の中も清らかであるということ。
「寂」…静寂・閑寂
というように一文字一文字に意味があります。

来店されたお客様に、職人さんが一つ一つ丁寧に心を込めて作ったお菓子を
落ち着いて召し上がって頂けるような空間にしたいという思いからこのテーマで制作をしました。

近くに寄られた際には、是非足を運んでみて下さい。
http://www.turuya.co.jp/tenpo/honten_top.html

2012 Miniartextil Como 専攻科 佐藤淳


今回、イタリアのコモで開催されている「2012 Miniartextil Como」に入選したので、展覧会を見に行ってきました。

会場はイタリア・ミラノの北部のコモという町にある「ヴィラ・オルモ」という18世紀末に建てられた貴族の邸宅で、そこの館の一階の各部屋を使っての展示でした。

今回は初めての応募、それも海外への応募だったので、入選が決まった後に作品を送ったときには壊れずに届くのだろうかと心配しましたが、ディスプレイされている自分の作品を見たときには、自分の作品とは思えないほど変わっていて、ディスプレイの重要性と、コンセプトや作品のサイズの重要性を再認識できました。

また自分自身、今回の展覧会の規模や格式などがあまり分かってなかったので実際に会場に行って見てみて、レベルの高さに驚いてしまいました。今回の展覧会には自分のほかにも何人かの日本人の方たちも入選され、その中のお一人は大賞を取っており、非常に刺激になる作品でした。

今回はイタリアに6日間の滞在予定でそのうちの1日をコモへ展覧会を見に行き、残りの5日間はミラノの観光バス(日本の鳩バスみたいなもの)を使ってミラノ市内を観光しました。「最後の晩餐」のある教会や、町の中心部にある大聖堂等の歴史のある建物が非常に多く、教会の装飾などが興味深かったです。

紙布 専攻科 早田若菜

私たち専攻科は、9月3、4、5の3日間で紙布のクラスを受講しました。
講師は織物作家の吉田桂子さんです。

まずは和紙で緯糸作りです。
今回は黒谷(京都府綾部市北部の町)の楮紙を使用しました。
三つ折りにした和紙に5ミリ間隔で切り目をいれたら、それを広げ霧吹きで湿らせます。
この時、水をかけすぎても紙が破れるし、乾きすぎていてもまとまりが悪く、
加減が難しかったです。

湿らせたら両端を扇畳みにして、コンクリートブロックの上で揉んでいくのですが
力を入れればいいという訳でもなく感覚でコツを掴んでいく感じでした。
揉みだして最初の方は、和紙がまとまるように手にすこし水をつけていいそうです。
ただやりすぎると毛羽立ちの原因になるそうで、私の揉んだ和紙は見事に繊維のもけもけだらけでした。

揉んで細く丸まった和紙は、紡毛機でさらに撚りをかけます。
紙の両端を交互に切って1本の長い糸にしますが、私の和紙は毛羽立ちが多く
それを取り除きながら撚りをかけるのには時間がかかりました。

いよいよ織り出しです。
今回経糸にはラミー糸を使用しました。染色はせず、漂白しただけの白い糸です。
技法は平織のみとシンプルですが、経糸の混ませ方に変化をつけ、ストライプをつくりました。
ちなみに組織織りもできるそうですが、先生曰く「平織が1番きれい」だそうです。

織り上がった紙布は、和紙の色でうっすら黄色く自然な仕上がりで、
触り心地はすこし硬くさっぱりとしています。
和紙の両端を切った際にできた房が、ぽこぽことテクスチャーに表れているところがお気に入りです。

これまでは自分たちの好きな色の糸で織っていたので、今回はとても新鮮で
素材そのものの色の美しさを改めて学ぶことができました。
この布で何を作ろうか、何に使おうか、今とても楽しみに考えています。

バックストラップウィービング 専攻科 柴田玲

8月27日から29日の3日間、バックストラップウィービングの授業がありました。
バックストラップルーム(腰機)は、棒と紐と、自分の体を使って織ります。

講師の京田先生はグアテマラに居住し、マヤ地域の伝統織物を専門に研究されています。

マヤ織物の特徴的な模様は、縫い取り織りという手法を使います。
一段一段、柄の出したい所の経糸をすくったり飛ばしたり繰り返しながら、
時間をかけて織られます。
この模様は地域ごとに専門とする柄が違い、親から子へと受け継がれているそうです。
しかし近代化が進む中、将来失われる技法とも言われています。

今回の授業は、日本の時間とグアマテラの時間の違いを感じ、不思議な感覚でした。
また一段ずつ自分で柄を考えながら織るので、早く柄を完成させたくてわくわくしました。
効率化だけでなく、手間ひまをかける大事さを学ぶことが出来ました。

今回は出来上がった布を使ってブックカバーを作りました。
自分で作った布なので愛着があるものが出来上がりました!

インターンシップ(後編) 専攻科 小林七海子


イメージボード

<<前編(1週目)

二週目は工場での研修と、制作したイメージボードを元に織物デザイン・設計を行いました。工場で今まで見てきた作業が具体的にどのような役割があるのか、機械がどのように動いているかを間近で学ぶことができました。ワインダーの工程では紡績の機械で意匠糸を作って頂き、テンションのかけ方を少し変えるだけで全く異なる表情になる様子はとても興味深いものでした。完成度の高い商品を作るために、すべての工程で人の手や経験が欠かせないのだと感じました。

織物作成実習ではジャカード機を使用して実際に自分が企画した布を織らせて頂きました。糸や組織を選ぶ作業はわからないことが多く、社員の方に頼らなければいけませんでした。織り出してからも、硬い組織があって機械がうまく動かないなど問題もあり、机上では理解できない難しさを感じました。

最終日の講評には今までの研修で指導していただいた社員の方々にプレゼンを行いました。組織や糸の入れ方、織物として魅力的に見えるデザインなど具体的な指導をして頂きました。プレゼンは商品を引き立たせる重要な部分なので、もっと魅せる工夫を考えた方が良いと言われました。単にものを作るだけでなく商品として売り出すことを常に考えていけないのだと改めて理解できたように思います。

とても充実した経験が出来た二週間でした。現場の社員さんたちからは普段聞けないような仕事や機械のお話など、学校では触れられないようなことを学べました。この経験を忘れずに、魅せるものづくりをするための制作や勉強をしていきたいと思います。

インターンシップ(前編) 専攻科 山本李江

イメージボード

5月28日〜6月8日までの2週間、川島織物セルコンでインターンシッププログラムを受けました。自分が企画デザインし、織物設計したものを工場で織ってもらいました。そのテキスタイルを最終日にプレゼンテーションしました。

1週目は各専門の社員の方々からインテリアや機能・加工技術、織物、編物についての講義を受けました。これらはインテリアテキスタイルを企画する上で大切な知識です。また、イメージボードを作成しました。イメージボードは、空間やそれに付随する小物、デザインイメージ写真などを1枚の紙にまとめたものです。これは、その企画に関わる人の考えを統一化し、目標を定めるために欠かせないアイテムです。イメージ通りの写真を選び出し、1枚の紙にわかるやすく貼ることは予想以上に難しい作業でした。

学校での制作とは違い、会社ではブランドや販売価格によって使用できる素材や技術などの制限があります。また、守らなければならないルールもあります。その制限内で、お客様が「欲しい」「買いたい」と思える製品を企画提案していくことが大切なのだと学びました。

インターンを終えて、テキスタイルの知識だけでなく、経験を積まないと魅力的な製品は作れないのだと気づきました。これからは様々な素材や技法にチャレンジすることを目標に制作に取り組んでいきたいと思います。

>>後編(2週目)へ続きます

藍当て布の裂織ラグ講評会 ディレクター 野田凉美

専門コース2年目の専攻科5,6月は、個人制作と薄絹スカーフ染織、就職活動、課外のプロジェクト参加等多忙な日々ですが、5月の課題「裂織ラグ」の講評会が6月11日に行われました。
素材は、染色家福本潮子さんが作品を制作する過程で出来る当て布です。1ミリ違わず折りたたまれ、しっかりと染めあがった藍の細長い布は、それだけで魅力がありますが、その美しさを裂織で充分に生かしたデザインをそれぞれが試みていて、福本潮子さん、福本繁樹さんからとても良い評価を頂きました。中でも評価の高かった佐藤君と山本さんが布を頂いたお返しに、京北にある福本さんの別邸用にラグを制作する事になりました。

写真:佐藤制作ラグ

写真:織りサンプル