コンペ・企業コラボ

鶴屋吉信にて作品展示 専攻科 萩原千春

京都の老舗和菓子店の鶴屋吉信京都本店の一階店舗から二階茶屋•お休み処へと続く階段の踊り場に制作したタペストリーを展示して頂いています。
二階では職人さんが目の前で生菓子を作ってくれ、お抹茶と一緒に食べることが出来ます。
そんな素敵な空間に飾る為のタペストリーを作らせて頂くことになりとても嬉しく思いました。

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今回の作品のタイトルは「和敬清寂」で茶道にとても深い関わりのあることばです。
「和」…和合・調和・和楽
「敬」…お互いに敬い合う
「清」…清らかと言う意味ですが、目に見えるだけの清らかさだけでなく、
心の中も清らかであるということ。
「寂」…静寂・閑寂
というように一文字一文字に意味があります。

来店されたお客様に、職人さんが一つ一つ丁寧に心を込めて作ったお菓子を
落ち着いて召し上がって頂けるような空間にしたいという思いからこのテーマで制作をしました。

近くに寄られた際には、是非足を運んでみて下さい。
http://www.turuya.co.jp/tenpo/honten_top.html

東京デザイナーズウィークに参加して 修了生 単珊

Tinytoadstoolというのは小さな毒きのこのことで、
2008年川島テキスタイルスクール在学中に制作した刺繍フェルト帽子シリーズのことです。
制作手法は主にフェルテイング、染め、刺繍です。
2010年に私はその中の一つの帽子を世界旅行させるhello tinytoadstool project
というプロジェクトを計画しました。
自分のブログにプロジェクト参加者の募集を掲載してから、
世界各地沢山の応募から17か国、18人の参加者が決まりました。
一人の参加者は3枚の写真を撮ってから次の参加者に送るというルールで、
3枚の写真はそれぞれが帽子をかぶっているポートレイト一枚と、参加者が住んでいる町または自分の中の象徴物の前に一枚、そのほかは自由という内容です。

ギリシャからスタートし、スウェーデン、フランスなどヨーロッパの国、
そして北アメリカ、オセアニアとアジアを経て、一年半の長い旅を終えて
今年の10月無事に日本に帰ってきました。

このプロジェクトを通じて、多くの方々が私の作品に触れ、楽しんで貰って、
また、この小さな旅帽子を通して、多くの人々が繋がり、様々なストーリーがおきて、
一つ愛の形になったのではないかと思います。

そして、テキスタイルという分野はあんまり人に知られてないということを直々に感じ、
今回の東京デザイナーズウィークをきっかけに、多くの方々にテキスタイルというのは
とても多様で幅広い分野で、いろいろ面白くクリエイティブなことできるよ、
というメッセージを伝えることができたらいいなと思います。

tiny toadstool

ジャパンテキスタイルコンテスト スプラウト賞受賞  本科 清水わかな

この度12月に行われた愛知県一宮市ファッションデザインセンター主催のジャパンテキスタイルコンテストに応募し、学生の部でスプラウト賞(愛知県知事賞)と奨励賞をいただきました。
このコンテストには、テーマを「毛むくじゃらのお化け」とし、手織り、ジャガード(機械織り)、プリントという手法で3つの作品を作り応募しました。

この3部作は学校の授業で「袖」のテキスタイルを考えた時、沢山の毛糸をまっすぐ横に並べてみた時から始まりました。とても単純なアイデアですが経糸のラインの美しさに感動し、それをそのまま残した生地を作りたいという提案を先生にも認めてもらい、自信を持って制作に取り組む事ができました。また、毛糸が並んでいる様はまるで何かの動物の様だったので、従来の毛皮やフェイクファーとは違う「毛むくじゃらのお化け」というテーマをしたら面白いなと思いテーマを設定しました。

最初は毛糸を縮絨で固めて生地にしようとしましたが何度サンプルを作っても納得のいくものができず、日数ばかり過ぎていきました。一からアイデアを練り直し、手織りで布を作ってみましたが、これも経糸が毛羽だって上手く織れませんでした。行き詰まっていた時に、夏の研修旅行で行ったジャガード織りの工場を訪ね、機械織りで表現できないか相談をしてみたところ、同じ物は出来ないけれど、同じ様な表現は出来そうだという事でそこにある糸から出来る作品を作ってみる事になりました。

その時出来た布が「YAK」という布です。細いモヘアと黒い接着糸という特殊な糸を緯糸に用いた布で、その黒い糸を細い針で裂くと人間の黒髪の様な表情になり、ちょっと気持ち悪い感じになりました。なるべく糸をとばして織って毛の畝りや光沢を多く出して目立たせ、地を埋め尽くすようにモヘアを織り込みました。チベットの高地にいるヤクの様な色をしていたのでその名前をとり、この布がスプラウト賞をいただきました。

3部作の内2つが賞をいただき、結果にはとても満足していますが、一枚の布として見ればやぱりまだまだ改良の余地はあると思っています。今回最後の最後まで諦めず挑戦した様に、この「毛むくじゃらのお化け」シリーズを納得のいくまで改良をして、修了展で発表できればいいと思っています。

ジャパンテキスタイルコンテスト シーズ賞・奨励賞 本科 松本りん

「ジャパン・テキスタイル・コンテスト」に応募した2作品がそれぞれシーズ賞と奨励賞を受賞しました。

「micro graphy」ジャガード織  シーズ賞受賞

この作品は、micro graph(顕微鏡写真)という名の通り、microな世界をテーマに作成しました。たまたま、自分の撮影した画像をパソコンで加工していた時、昆虫の顔のアップのような模様が現れてきました。その画像の断片を反転させてリピートし、ひとつの画面を作っていき、このデザインが出来ました。昆虫の顔や動物の顔、アニメーションのような風景・・・等の様々なものが、鑑賞者の想像力によって、それぞれ異なった世界が見えてくる不思議な画面。これを活かす方向へもっていきました。
6月に学校の研修旅行で訪れた、岐阜のY’sテキスタイルさんにご協力いただきました。デザインデータを持っていき、織物用のデータに変換していただきました。そして、試織をして糸を検討し、デザインの詳細を詰めていきました。白糸の部分のみ、緯糸を飛ばして織っていただき、後に自分でそれをカットして、さらにスポンジで擦ることにより、糸の撚りを解き、ボサボサにさせました。そうすることによって、昆虫の顔をアップで見た時の、産毛のような毛の質感が表現できました。
インパクトの強いデザイン、そして多色で織ったために厚く硬めの生地に仕上がりました。この生地の用途として、布張りのソファのための布という、インテリアの一部として使うことを提案しました。スタンダードなデザインが多く見られる中で、もっと遊びの要素を取り入れ、そのテキスタイルに触れる人の想像力を掻き立てるようなデザインがあっても良いなと思い、今回のデザインに挑戦しました。

「ヒカリノムコウガワ」 オパール加工 奨励賞受賞

 「透」を楽しむことをコンセプトに作成しました。オパール加工とは、生地の一部を薬品で梳かすことによって、その部分を透けさせる加工技術です。春の穏やかな光のイメージで、オパール加工で透けさせた部分をポリロンで、その他のグラウンド部分を直接染料のぼかし染めで、それぞれ染め分けしました。染め分けしたために、ひとつの画面にふたつの世界が入り混じっているような感覚。さらに、透けて見える向こう側の世界が入り込み、より一層不思議な画面に見えてきます。
 このテキスタイルは、レディース服地として提案しました。透けるので、重ね着を前提とした服の提案で、下に着る服の柄や色が透けることを考慮したレイヤードを、着る人自身が楽しめることを目的としています。

ジャパンテキスタイルコンテスト 奨励賞 本間陽子

ひらひら舞う


シルクオーガンジーの布にストライプ状にアイロンプリントをし4〜7mm幅に1本づつカットして、緯糸にモヘア糸と交互に織り込みました。
織る事によって出る線のゆらぎのおもしろさ、所々に見えるアイロンプリントの裏の白と,表の色との違いで,プリントがひらひらと舞っている様子を表現しました。

経糸 梳毛糸3/18
緯糸 シルクオーガンジー モヘア アイロンプリント
サイズ 140×62cm

帽子デザインコンテスト 本科 松本りん

全日本帽子協会主催の帽子デザインコンテストに、作品を出品していました。このコンテストは、今年の6月に一次審査が行われました。一次審査はデザイン画による審査で、いくつ応募しても良いということだったので、私は3作品応募しました。審査の結果、3作品のうち2作品が一次審査を通過したとの通知がきました。通過した2作品のデザインは、ひとつはアジアの伝統的な被り物である笠を現代風にアレンジしたもの、もうひとつは、革と柔らかいシフォン地を使用したアシンメトリーなデザインのハットです。

 最終審査は、一次審査で通過したデザイン画を元に、実際に制作した帽子を審査されます。締め切りは8月末日だったので、夏休みの暑い最中に制作しました。笠は、細いテープ状の素材をミシンで接いでいくブレーディングという手法で作ることにしていて、この技法は素人には難しい技法なので、6月の研修旅行で訪れた名古屋の帽子工場・(有)森安さんにご協力いただきました。森安さんで、デザイン説明をし、職人さん方と相談しながら制作を進めました。自分ひとりではここまでのクオリティのものはできなかったと思います。(有)森安のみなさんにはとても感謝しています。
 もうひとつのアシンメトリーのハットは、(有)森安さんにてフェルトの型押しで土台部分のみを作っていただき、その他の部分は自分で縫製することにしました。このハットは、硬い革と柔らかいシフォン地を縫い合わせるので、ミシンの目調子がうまく調整できなかったり、シフォンにギャザーを寄せるのですが、ギャザーが均等に寄らなかったりと、思った以上に苦戦しました。最終的に、ミシンは諦めてほぼ手縫いで完成させましたが、時間をかけた甲斐もあって、ほぼデザイン画通りに仕上がりました。

 最終審査の結果、上位30名に選ばれたとのことで、入賞祝賀パーティーに招待していただきました。そのパーティーで、最優秀賞・優秀賞・各特別賞の発表があるとのことでした。同じ本科の岡本くんも30名に選ばれ、2人で参加してきました。パーティーでは、ファッションショー形式で、私たち30名の帽子がお披露目されました。実際に自分の帽子を人が被って歩いているところを見られて良かったです。そして、いよいよ賞の発表・・・。結果は・・・!二人とも落選でした・・・残念。でも、上位30名は入選とのことで、立派な賞状をいただきました。正直、悔しかったけど、入選作品全てを見た上で、やっぱり自分の作品が一番好きだったので、満足しています。

 最終結果が出るまで長かったですが、このコンテストを通して(有)森安さんを再び訪れることが出来たし、精一杯モノ作りをする機会が持てて、良い経験になりました。入選した帽子は、機会があれば披露したいと思います。