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京都あっそう言えば


岡崎公園、オ・タン・ペルデュ、リンデンバーム

いよいよ年度末の足音が聞こえる時期となりました。当校でも恒例の「川島テキスタイルスクール修了展」に向けて、学生たちは作品作りの追い込みに入る時期です。今年の修了展の開催は、3月7日(水)~11日(日)、例年同様に岡崎公園にある「京都市美術館」で行います。是非お越し下さい。

ところで、この“岡崎公園”と言えば、美術館や音楽ホール、図書館、イベントホール等々京都の近代文化を象徴する施設が建ち並ぶ場所ですが、そもそもは明治28年に平安遷都1100年事業で建立された“平安神宮”を核に開発された地域だということは、以前(2009年9月号)にも簡単にご説明しました。それより以前はと言えば、平安時代は“関白藤原頼道”の“白河殿”をはじめ貴族の別荘地で“白河(しらかわ)”と呼ばれ、“岡崎”という地名は鎌倉時代初期の頃からだそうです。平安時代末期の院政期、白河天皇から約70年の間に天皇・皇后の御願寺が六ケ寺造営された時期が最も栄えた時期で、いずれの寺も「勝」の文字が付けられ“六勝寺(ろくしょうじ)”と呼ばれていたそうです。しかし、室町時代には次第に衰え、“応仁の乱”以後は廃寺になり、今では寺の名前が町名として残っているだけです。因みに“京都市美術館”のある辺りは“円勝寺(えんしょうじ)”という寺があったようで、“円勝寺町”という町名になっています。

今年のNHK大河ドラマ“平清盛”は東山七条の“蓮華王院三十三間堂”を造営しましたが、その父“平忠盛”はそれより30年余り前に、今の岡崎公園の西部辺りに“得長寿院”を“鳥羽院”へ造営寄進し、“三十三間の御堂を建て、一千一躰の御仏を奉った”そうで、その昔には“三十三間堂”は2つ在ったのだそうです。これも今となっては石碑が残るのみで、“六勝寺”も“得長寿院”も全て消えてしまいました。

“岡崎公園”と言えば、以前お話した建築家“前川國男”先生が設計された“京都会館” http://www.kyoto-ongeibun.jp/kyotokaikan/ も建替え計画があり消え行く運命にあるようで…すぅ。時代の流れと共に、色々なものが新しくなって行きますが、この“岡崎公園”界隈がこれからも京都の文化や産業の創造的エリアであって欲しいと祈りつつ、当校も学生作品を“修了展”を通して毎年発信して参りたいと存じます。

「いやぁ、ええ話になったけど、何時も“KTS修了展”に来て、お昼ご飯を何処で食べようか悩むんで、ちょっと教えといてくれませんかなぁ。」

承知しました。最近はいろいろな情報誌に飲食店の紹介が載っていますが、私のお気に入り“ランチメニュー”があるお店をご紹介しておきましょう。

平安神宮の北側にある“レストランUSAGI”さんは2011年9月号でご紹介しましたが、同じくフレンチで美術館のすぐ斜め向かいにある“オ・タン・ペルデュ” http://bellecour.co.jp/au%20temps%20perdu%20index.htm さんもご紹介しておきます。トレトゥールつまりテイクアウト食品店ですが、イートインも出来るサロンがあり、またパティシエとしてお菓子の美味しさも絶品のお店です。

buta-2012-01-31-20-26.jpgオ・タン・ペルデュの豚バラ肉のバルサミコ煮込み

okashi-2012-01-31-20-26.jpgオ・タン・ペルデュのお菓子も絶品!

他に、テイクアウトのお惣菜と言えば、平安神宮から少し西、つまり東大路丸太町の交差点から少し西へ行った、“リンデンバーム” http://www.linden-baum.jp/ さんは、アルザス地方のお惣菜が楽しめます。“KTS修了展”にお越しの折にお試し下さいませ。

lunchbox-2012-01-31-20-26.jpgリンデンバームのランチボックス

DO YOU KYOTO?、酒粕、お好み焼、とんちんかん

2012年を迎え、異常気象なのでしょうか?寒さの厳しい日が続きます。

2012年と言えば、“DO YOU KYOTO?”という合言葉のもとになった「京都議定書」温暖化効果ガス削減目標の最終年でした。昨年12月に期間延長となりましたが、今後の着地点はどうなるのやら…?こう寒いと“温暖化”という課題を忘れそうですが、何時も“DO YOU KYOTO?”つまり「環境に良いことしていますか?」という意識は常に忘れないようにしたいものです。

ところで、京都の冬と言えば、“底冷え”つまり足元から“ジワジワと冷える”寒さで有名です。しかし生活文化としては恐らく“夏文化”なのでしょう、“京町家”はどう見ても“風通し良く”作られていますし、囲炉裏のような特別な暖房設備があるわけでもありません。つまり寒くなったら温かい物でも食べれば良いということなのでしょうね、…きっと。

暖まる食べ物と言えば、京都は「酒処・伏見」があるためか、この季節には“酒粕”を便利に使います。私の子供の頃は、火鉢の炭火で板状の“酒粕”を焼きそれに砂糖をまぶして食べたり、酒粕・水・砂糖を鍋で加熱して作る“甘酒”に“おろし生姜”を入れて飲んだりと、寒い冬にはちょうど良い“おやつ”でした。また、朝昼晩どの食事の汁物としても頂ける“粕汁”は冬の定番惣菜で、中の具材が各家庭の“お好み”に工夫されていて、なかなか奥深い惣菜だと思います。また、“酒粕”自体にも健康に良い栄養素が含まれていますが、“粕汁”にすると根菜をはじめ色々な野菜や多くの食材が一緒に頂けて、バランスのとれた食事として重宝します。“鮭”や“鰤”などのほか、“豚肉”や“鶏肉”を入れても美味しく頂けます。

kasujiru-2012-01-20-23-56.jpg家庭の味”粕汁”は野菜がいっぱい!


「酒処・伏見」と言えば、1月と2月に“酒蔵開き”のイベントがあり、“新酒”の利き酒や“特製粕汁”などが頂けます。興味のある方は是非お出掛け下さい。

http://www.kyotojoho.co.jp/event/2012/2/index_event.html

そうそう、“お好み”の具材で栄養バランスが良く温まる食べ物と言えば、“お好み焼”も欠かせません。“お好み焼”も色々な食材が一度に食べられ、1枚当り600kcal以下(マヨネーズなし)と意外にカロリーが少ない健康的な食べ物です。“お好み焼”に沢山入っている“キャベツ”は、年末年始の飲酒でダメージを受けた胃袋の回復にとても効果があり、フワフワに焼き上げるために使われている“山芋”は滋養強壮のほか消化を助けます。“お好み焼”は食物繊維も豊富ですし、現代人には欠かせない食べ物ですねぇ。決して私の“好み”で申している訳では御座いませんよ。(苦笑)

kakiokonomi-2012-01-20-23-56.jpg季節柄”牡蠣”の入った”お好み焼”を注文しました

「いやぁ、“京都議定書”から“お好み焼”まで話が飛ぶさかいに、何時もながらに支離滅裂でどうなることかと思たけど、上手いこと纏めたなぁ。」

「そうやでぇ、“話”も混ぜこぜ、“粕汁”も“お好み焼”も混ぜこぜ、みんな混ぜこぜで“とんちんかん”や、分かったかぁ?」
「分かるかいな! 食べてみたら分かるかもなぁ~。」(ニヤッ!)

それでは今日は、河原町通と六角通の角を少し西に入ったところにある“とんちんかん”さん http://kyo-mi.com/tonchinkan/access/ の“お好み焼”を頂いて、温まることにしましょうか。

生姜、たぬきうどん、田毎

早いもので、もう師走を迎えるようになりました。今年はいつまでも暖かかったのですが、12月に入って急に冬らしい寒さがやって来ました。冬場もいろいろな“節電対策”が話題になっていますが、なかでも体の中から暖めると言う事で、“生姜”の効用が見直されています。京都ではこの“生姜”を年中良く使います。夏の暑いときは“冷奴”や“茄子の塩もみ”、“漬かり過ぎた漬物”などの薬味として“すりおろした生姜”を使いますし、冬も“湯豆腐”や“あんかけうどん”の薬味に使います。“京都人の山椒好き”と言いますが、“生姜好き”でもあるんですなぁ。

生のままであったり、加熱したりといろいろな使い方をする“生姜”ですが、その効用はどちらの場合もあるようです。つまり、生のまま食する場合は“ジンゲロール”と言う成分が“免疫”“殺菌”などの効果を発揮し、加熱すると“ショウガオール”という成分に変わり、“血行を良く”して体を温める効果があるそうです。京都人は年中使う意味を知っていたのですねぇ。

ところで、冬場に“暖をとる食べ物”と言えば、やはり“鍋料理”がありますが、手頃なところでは“鍋焼きうどん”というメニューも欠かせぬ冬の風物詩です。しかし、京都では先ほど触れました“あんかけうどん”の方をよく食べるように思います。京都の“あんかけうどん”は、文字通り“うどん”に“葛”でとろみを付けた出し汁をかけ、すりおろした“生姜”だけが薬味として乗っています。これでは物足りないと言う人には“たぬきうどん”の方をお奨めしますが、この“たぬきうどん”ほど日本全国各地で中身の違う食べ物は御座いませんなぁ。“きつね”も“たぬき”もその違いを書き出すときりが無いのでここでは省略しますが、京都では“きつねうどん”の出し汁を“あんかけ”にし、青葱とすりおろした“生姜”をたっぷり載せたものを“たぬきうどん”と言います。もっとも、何かと柔軟性のある京都のことですから、“きつね”の場合と同じく“うどん”を“そば”に変えて注文しても結構ですし、載っている“油揚げ”も味を付けていないお店もあれば、甘く味を付けているお店もあります。

どれが本当の“たぬき”かなどと無粋なこと言わずに、好きなように頂くのが“京都人”の食べ方かも知れませんなぁ。

「えっ、上手いこと誤魔化す言い方をして、そんなお前のことを“たぬきおやじ”と言う。

 ほっときなはれっ!」

今年の大晦日の年越し蕎麦は“たぬきそば”ではどうでしょう。

写真の“鍋焼きうどん”と“たぬきそば”は、御蕎麦本家“田毎”さん http://www.tagoto.com/ で頂きました。

nabeyaki-2011-12-16-09-05.jpg”鍋焼きうどん”には”ゆず七味”を薬味に使ってください

tanukisoba-2011-12-16-09-05.jpg生姜をたっぷり乗せた”たぬきそば”

それでは、良い年をお迎えください。来年も宜しくお願い申し上げます。

水菜、壬生菜、イルギオットーネ

秋も深まってくると朝夕が冷え込むようになり、食事も何か暖かいものが欲しい気分になります。朝食ですと熱いカフェ・オレやスープなど、夕餉ではさしずめ“鍋料理”が恋しくなる季節ではないでしょうか。京都で“鍋”と言えば、“湯豆腐”や“水炊き(鳥の鍋)”などで有名なお店が沢山ありますが、京都の“鍋料理”に欠かせないのが“水菜(みずな)”です。江戸時代のはじめ頃から京都で栽培されてきた京野菜で、11月頃から出荷が始まり寒さの厳しい2月頃が最盛期、地方では“京菜(きょうな)”と呼ぶところもあるようです。

mizuna-2011-11-16-21-11.jpgシャキシャキとした歯ごたえの”水菜”

肥料なしでも“水”さえ与えれば育つので“水菜”と呼ばれるようになったのだそうですが、最近では肥料も研究されてハウス栽培で、年中しかも京都以外の地方からも出荷されるようになりました。生野菜としても食べられる柔らかいものも出回るようになり、“サラダ”など洋食系の料理にも多用されています。

mizunanabe-2011-11-16-21-11.jpg京都の鍋料理には”水菜”が欠かせません

また、京都と言えば“漬物”、当然“水菜”の漬物もあるのですが、京都では “水菜”の親戚のような“壬生菜(みぶな)”という野菜があり、漬物にはこちらの方を利用することが多いようです。この“壬生菜”は“水菜”の自然交雑で出来たもので、葉は水菜のようなギザギザの形をしておらず、細長いヘラのような形をしています。新撰組の駐屯所があった地区として有名な壬生界隈で栽培されていたことから、“壬生菜”と呼ばれるようになったのだそうです。

mibuna-2011-11-16-21-11.jpg”壬生菜”の漬物

京都ではどちらも良く食べる京野菜ですが、八百屋さんの店先によく出回っているのは葉がギザギザの形をした“水菜”の方です。大きな株のまま買って帰っても、油揚げと一緒に炊いたり(水菜の炊いたん)、ベーコンなどと一緒にフライパンでサッと炒めたり、パスタ料理に使ったり、と色々な調理方法で沢山食べられるビタミンなど栄養素と食物繊維の多い、中年を過ぎると特に有難味のある優れものの野菜です。今では野菜の季節感が少なくなりましたが、“水菜”は京都の冬の訪れを告げる京野菜の一つです。

mizunapasta-2011-11-16-21-11.jpg水菜と甘鯛のパスタ、酢橘風味です!

「あれっ、今日はうるさい奴が見当りませんが…。」

「ワテ(私)ならちゃんとここに イル ギオットーネ!」

「なんやそれは、どこの言葉や?」

「イタリアンや。」

「なるほど、そしたら今日は京野菜を使うイタリアンで有名なレストラン、イルギオットーネさんに行きまひょか。」(???)

京野菜を使うことで有名な“笹島シェフ”が東山や東京丸の内でイタリアン・レストランをされていますが、今日は気軽に行ってイタリアンを楽しめる四条烏丸の近のお店、トラットリア・バール イルギオットーネ http://www.tb-ilghiottone.com/ さんに行くことにしましょう。こちらも、京野菜と魚介類のお好きな方にはお薦めのお店です。

松露、亀屋友永


「秋」と言えば、昨年は“松茸”のお話をしました。生物界は5つの“界”に分類されており“松茸”などの“キノコ”は“菌界”に分類されています。森や林の中で見かけますので“植物界”のようにも思いますが違うのだそうです。この“キノコ”、日本には数千種類もあるそうですが、半分以上は名前もまだ付いていないのだそうで、キノコ好きの日本人でも普段食すのはだいたい同じようなキノコ数種類ではないでしょうか。もっとも全てのキノコが食べられるわけではなく、分かっているだけでも数十種類の毒キノコがあるようなので、キノコ狩りなどにお出かけの際は十分気を付けて頂きたいと思います。
また、人間は賢いと申しますか、貪欲と申しますか、なかなか食べられないとなると、その擬似的なものを作って食べて楽しむということが、昔から行われているようです。“黒いダイヤ”との呼び名もある“黒トリュフ”は、フランスの森で豚さんが探してくれる世界の珍味で高級食材として有名です。こういうものをフランスの方はチョコレート菓子として一般化して楽しんでおられましたが、最近は日本でもお馴染みのお菓子となりました。
そう言えば、人間のすることは洋の東西を問わないようで、京都にも同じようなキノコを模したお茶菓子が昔からあります。こちらは松林の中で土に埋もれた小さな芋のような状態で発生する“松露(しょうろ)”というキノコがあるのですが、これがなかなか収穫することが出来ない高級食材で、高級料亭でも扱うところが限られているようです。この“松露”というキノコを模して、丸めた漉し餡を蜜でコーティングして固めたお菓子の“松露”を、京都ではお茶請けとして、また気取らないお茶席のお菓子として楽しんできました。なかなか手間隙の掛かるお菓子ですので、大きなお菓子屋さんよりも町中の老舗のお菓子屋さんで見つけることが出来ますので、京都散策の折に探してみてください。

今日は小生がお気に入りの“松露”をご紹介しておきます。「新町通」の「丸太町通」から下ってすぐの所にお店がある“亀屋友永”さんの“松露”です。

wagashi-2011-10-12-20-16.jpg亀屋友永さんの松露、可愛い形のものもあります

「京都御所」http://www.kunaicho.go.jp/event/kyotogosho/kyotogosho.html や「京都府庁旧本館」http://www.pref.kyoto.jp/qhonkan/ からすぐ近くにお店がありますので、“秋の一般公開”にお出掛けの際にでも寄ってみて下さい。
“京都府庁旧本館の一般公開”と言えば、当校の学生作品も毎回出品しておりますので、是非観に行って下さい。

「今日のご飯はどこへ連れて行ってくれるのんやぁ。」
「あぁ、そやそや。今日は本物に似せたお菓子の話やったさかいになぁ、ご飯も食べたつもりにしときなはれ。」
「トホホ~、ほな、そうしときまっさ~。」(涙)
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