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帽子デザインコンテスト 本科 松本りん

全日本帽子協会主催の帽子デザインコンテストに、作品を出品していました。このコンテストは、今年の6月に一次審査が行われました。一次審査はデザイン画による審査で、いくつ応募しても良いということだったので、私は3作品応募しました。審査の結果、3作品のうち2作品が一次審査を通過したとの通知がきました。通過した2作品のデザインは、ひとつはアジアの伝統的な被り物である笠を現代風にアレンジしたもの、もうひとつは、革と柔らかいシフォン地を使用したアシンメトリーなデザインのハットです。

 最終審査は、一次審査で通過したデザイン画を元に、実際に制作した帽子を審査されます。締め切りは8月末日だったので、夏休みの暑い最中に制作しました。笠は、細いテープ状の素材をミシンで接いでいくブレーディングという手法で作ることにしていて、この技法は素人には難しい技法なので、6月の研修旅行で訪れた名古屋の帽子工場・(有)森安さんにご協力いただきました。森安さんで、デザイン説明をし、職人さん方と相談しながら制作を進めました。自分ひとりではここまでのクオリティのものはできなかったと思います。(有)森安のみなさんにはとても感謝しています。
 もうひとつのアシンメトリーのハットは、(有)森安さんにてフェルトの型押しで土台部分のみを作っていただき、その他の部分は自分で縫製することにしました。このハットは、硬い革と柔らかいシフォン地を縫い合わせるので、ミシンの目調子がうまく調整できなかったり、シフォンにギャザーを寄せるのですが、ギャザーが均等に寄らなかったりと、思った以上に苦戦しました。最終的に、ミシンは諦めてほぼ手縫いで完成させましたが、時間をかけた甲斐もあって、ほぼデザイン画通りに仕上がりました。

 最終審査の結果、上位30名に選ばれたとのことで、入賞祝賀パーティーに招待していただきました。そのパーティーで、最優秀賞・優秀賞・各特別賞の発表があるとのことでした。同じ本科の岡本くんも30名に選ばれ、2人で参加してきました。パーティーでは、ファッションショー形式で、私たち30名の帽子がお披露目されました。実際に自分の帽子を人が被って歩いているところを見られて良かったです。そして、いよいよ賞の発表・・・。結果は・・・!二人とも落選でした・・・残念。でも、上位30名は入選とのことで、立派な賞状をいただきました。正直、悔しかったけど、入選作品全てを見た上で、やっぱり自分の作品が一番好きだったので、満足しています。

 最終結果が出るまで長かったですが、このコンテストを通して(有)森安さんを再び訪れることが出来たし、精一杯モノ作りをする機会が持てて、良い経験になりました。入選した帽子は、機会があれば披露したいと思います。