月別アーカイブ: 2015年3月

ホームスパン 本科 渡井あかり

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2015年の初めての授業が、このホームスパンになりました。

昨年の夏にスピニングの授業で洗った原毛を染色し、糸を紡いでチェックのマフラーを織ります。
私は今回、クリスマスやバレンタインの時期によく見かけるお菓子の箱をイメージして
マフラーの色を決めました。

羊毛はフェルト化しやすい性質を持っているので、染める際に非常に気を使いました。
温度の上げ下げをなるべく緩やかに、染色中に必要以上に触らないなど、
仕上がりが斑になってもいいからとにかくフェルト化させないよう注意して染色しました。
欲しい色がサンプルになく、勘染めのように少しずつ染料を混ぜて染めたので、
染料を染液に混ぜつつ原毛に刺激を与えない、という作業がとても難しかったです。
仕上がりは、やはり色に迷った原毛ほど固くフェルト化しかけていたので、
毛をほぐす段階で少し苦労しました。

今回は染めた原毛を使うということで、昨年とは違い混色が出来るようになりました。
ほぐした原毛を二色、同時に梳かすことで中間の色をつくります。
私は濃く染めたピンクと白い原毛を混ぜ、薄いピンク色の原毛をつくりました。

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およそ半年ぶりに紡毛機の前に座り、本科のほぼ全員が緊張していたと思います。
私もスピニングの授業中さえ思うように紡げず悪戦苦闘していた記憶があったので、
そのうえ感覚まで忘れていたらどうしよう、という思いでいっぱいでした。
しかし、糸紡ぎをはじめてあまり経たないうちに、
ふとしたきっかけからコツを得たように、するすると紡げるようになりました。
糸紡ぎは自転車と同じで一度感覚を覚えれば忘れない、という
先生の言葉は本当だったのだと少し感動しました。
ただ糸が滑らかに細く紡げるようになったかわりに毛が手の中から出ていく量が上手く調整できず、
細さが均一でないファンシーヤーンのような糸ができあがってしまいました。

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糸が紡ぎ終わると、ついにマフラーを織り出します。
天秤機を使った組織織で、私はまだ経験のなかったななこ織という組織を選びました。
途中、経糸の細く紡ぎすぎた部分が切れたり、引っかかって伸びたり、
そのせいで筬を変えることになったりと、反省点は様々ありましたが、
織り上がったマフラーは柔らかで触り心地もよく、ほかとは違う達成感を得ることができました。
この達成感は、一から糸を紡いで織るというホームスパンならではのものだと思いました。

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10月7日(水)-15日(木)にワークショップ「ホームスパン」を予定しています。
糸を紡ぐところからマフラーを作ってみませんか?ぜひご参加ください。
詳しくはこちらをご覧ください。