月別アーカイブ: 2017年4月

鶴屋吉信にて作品展示 専攻科 萩原千春

京都の老舗和菓子店の鶴屋吉信京都本店の一階店舗から二階茶屋•お休み処へと続く階段の踊り場に制作したタペストリーを展示して頂いています。
二階では職人さんが目の前で生菓子を作ってくれ、お抹茶と一緒に食べることが出来ます。
そんな素敵な空間に飾る為のタペストリーを作らせて頂くことになりとても嬉しく思いました。

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今回の作品のタイトルは「和敬清寂」で茶道にとても深い関わりのあることばです。
「和」…和合・調和・和楽
「敬」…お互いに敬い合う
「清」…清らかと言う意味ですが、目に見えるだけの清らかさだけでなく、
心の中も清らかであるということ。
「寂」…静寂・閑寂
というように一文字一文字に意味があります。

来店されたお客様に、職人さんが一つ一つ丁寧に心を込めて作ったお菓子を
落ち着いて召し上がって頂けるような空間にしたいという思いからこのテーマで制作をしました。

近くに寄られた際には、是非足を運んでみて下さい。
http://www.turuya.co.jp/tenpo/honten_top.html

スウェーデン交換留学レポート2 創作科 渡井あかり

交換留学先のHV Skolaがあるのはストックホルムの中でもユールゴーデンという少し特別な場所で、
河に囲まれた島のようになっていました。
多くの美術館と公園、そして遊園地があり、年中通して賑やかな場所です。
移動手段はトラムと呼ばれる路面電車かバス、電車やフェリーがあります。
どれでも共通して使うことの出来るチャージ式のICカードがあり、
学割で1ヶ月、3ヶ月、1年のチケットを買うことが出来ました。
また、地図で見るよりもストックホルムは小さいようで、徒歩で学校から中心部へ行くことも可能でした。
私はよくフェリーとトラム、バスを利用しました。
特にフェリーは見える景色が好きだったので冬場になってもよく利用しました。

ストックホルム

約3ヶ月にわたる留学中、私はHVが持つアパートに住んでいました。
学校の敷地内にあるアパートは1階が学校、2階がアパートという不思議な造りで一般の方も住んでいました。
洗濯機は共同、部屋は最大3人が滞在出来るシェアルームで、生活に必要なものはひと通り揃っていました。
学校の隣には少し物価が高くはなりますが小さなお店があり、食品や日用品を買うことが出来ました。

アパート

HVにはキッチン付きの食堂があり、昼時になると皆食堂で昼食を摂ります。
主にパスタやスープが多かったように思いますが、時折冷凍の餃子や
インスタントのラーメンを食べている人がいて面白かったです。
スウェーデンでも日本食は話題になっているらしく、
あちらこちらに寿司バーやラーメン屋さん、スーパーで普通に醤油や酢が購入出来ました。
日本食材店もありカレールーも日本メーカーのものを購入することが出来ます。

寿司バー

お互いに違う食文化を持つためか、わたしも皆もそれぞれのお弁当に興味津々でした。
皮をむいた林檎を塩水につけて持って行ったところ、「そのソースはなに!?」と驚かれたりしました。
また、スウェーデンにはFika(フィーカ)と呼ばれるコーヒー休憩があり、
毎日決まった時間にきちんと休憩をとります。
私のクラスは10時と決まっていたので、その時間になると
シナモンケーキやキャンディを持ち寄ってお喋りを楽しんでいました。

そして日本との違いに驚いたことのひとつに、
クラスメイトが快く日本人である私を受け入れてくれたことがあります。
あらかじめ勉強していったとはいえ、私の英語は拙くまたスウェーデン語を話すことも出来ませんでした。
スウェーデンの人は英語が上手いと聞いていましたが、
やはり全員が話せるわけでもなく、片言で話す機会も多くありました。
それでも昼休みに美術館へ誘ってくれたり、放課後にアイスを食べに行ってくれたりと
本当にあたたかく迎え入れてくれました。
はじめての海外であったにも関わらず、3ヶ月の間1度もホームシックにならずに
過ごせたのはクラスメイトと先生方、事務の方々のおかげだったと思います。

11月の最後に私が帰ることを知って、クラスメイトが少し早いクリスマスパーティを
開いてくれたときには本当に感動で言葉が詰まってしまいました。
私が以前ぽろりと零した「スウェーデンの伝統を知りたい」という言葉を覚えていてくれて、
クリスマスに食べるサフランパンやペッパカーカというクッキーを一緒に作ってくれました。
手作りのお菓子を持ち寄って、クリスマスに飲む甘いホットワインを飲みながら過ごした1日は
忘れられない大切な思い出です。

サフランパン