「天秤式織機による組織織り」 本科 中村ひとみ

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天秤式織機でスカーフと組織のサンプルを制作しました。
はじめに天秤機の特徴や仕組みを学ぶ為に、ストールを織りました。
このストールは2種類の太さの異なる糸と組織で織ることによって、
縮みの表情が出来るというものでした。

早速私たちはストールを織るために織り準備に取りかかりました。
今回は柞蚕糸カベ糸というとても細く絡みやすい糸を使ったので、
ひとつひとつの工程を慎重に進めていきました。
織り準備もあと一歩というところで私たちを待ち受けていたのが、タイアップです。
8枚綜絖、10本の踏み木を使用するためタイアップはなんと80本繋ぐ必要がありました。
織機の下に潜ってひたすらタイアップをしたのですが、踏み木の高さやコードの張り具合など、
気をつけなければならない事が多く苦戦しました。
80本を繋ぎ終え、先生と一緒にきちんと開口がうまく出来ているか確認をしました。
この時点で開口がきれいに開かない場合は、再びタイアップの調節をします。
きれいな織物を作るためには織り準備を丁寧にきちんとやらなければいけないのだと再び実感しました。
ようやく織り出したときはほっとし、織ることがとても楽しくあっという間に織り上がりました。
端をミシンで縫ってほつれ止めをした後、湯通しをして仕上げました。
お湯からスカーフを取り出すと糸の効果が出てかなり縮んでいたので、驚きました。
これから秋も深まってくるので、首元のおしゃれとして使っていきたいなと思います。

後半の授業は組織サンプルをひとり9枚織りました。
タイアップ替えもだんだんスムーズに出来るようになってきて嬉しかったです。
このサンプル制作では、天秤式の特徴である複雑な組織でも効率よく織ることが出来るということを学びました。
蜂巣織りや二重織りなどの組織は一見とても難しそうなのですが、足の踏み順も素直なので、
思っていたよりもずっと織りやすく楽しかったです。
きれいに織り上がったサンプルは各自きちんとファイリングしました。tennbinnblogIMG_89471

はじめての天秤式織機ということで戸惑ったりすることもありましたが、
丁寧に作業していくことの大切さや機の仕組みをしっかり理解することの大事さを実感することができました。
これから様々な制作を行っていくなかでも、このような気持ちを忘れず取り組んでいきたいと思いました。