修了生

スクールをつづる:国際編7 修了生インタビュー「ビストロと織りをつなぐ空間でものづくり」Patricia Schoeneckさん

川島テキスタイルスクール(KTS)を紹介するシリーズの国際編。織りとの多彩な関係を持つ世界中にいる修了生にインタビューした内容を紹介しています。第7回のPatriciaさんには、スウェーデンの提携校から学びに来た経緯やスクールの印象、そして現在ビストロを経営していることから、生活の中の織り、手でものをつくる観点で織りに通じる点などについて伺った内容をお届けします。

Patricia Schoeneckさん(スウェーデン)
ビストロ経営者
スウェーデン在住
Handarbetets Vänner Skola(HV Skola、スウェーデン)からの交換留学生として
2012年5月-6月、絣基礎・絣応用I、2013年10月-11月、絣応用II, III*受講

*現在は絣応用IIの一部

−−KTSに学びに来た経緯を教えてください。

私が織りを学んでいたHV Skolaは、川島テキスタイルスクールの提携校であることから、この学校のことを知りました。スクールの概要を読み、染織分野の技術において伝統だけではなく現代的な手工芸を学び、探求していける素晴らしい場所だと感じました。

スクールには、ものづくり、工芸、テキスタイルに本気で取り組む雰囲気があり、それに感動したのと共に触発されました。そこには雑音がなく、先生に指導を受けて生徒たちが黙々と取り組んでいました。

−−Patriciaさんは2012年に受講し、1年半後に再びスクールに戻って来られました。その間、学んだ技法を組み合わせて独学で制作を進め、修了展に向けて大きな作品を仕上げました。一旦、場所と時間を置いて自分で行うことで、より明確に見えたことはありましたか? それが、今のビストロ経営と機織りとの距離感につながる部分はあるのでしょうか。

私はスクールとスウェーデンの両方で、創作に対する多くのアイデアと視野がありました。染めも織りもとても時間がかかることから、私の頭の中で広がる大きなアイデアの一つひとつを実現するのは不可能だと思いました。振り返って考えてみると、私は小さな作品やサンプルを作り始める前に、最初に大きな作品を仕上げなければいけませんでした。そのように制作を行うことで、私のイメージをより具体化して形にできると思っていました。しかし、今の私の生活スタイルでは、織りと制作において両方のやり方をしています。ビストロを経営していることで、日々の暮らしのほとんどの時間をその仕事に費やさなければならず、(合間を縫って)織り作品を仕上げるには、小さな・短いものを作る方が今の私には現実的です。しかし、時間ができた時に制作に戻れるような、何年もかかる大きな作品にも取りかかる必要があります。

−−KTSで学んだことで、どのような影響を受けましたか?

私が思い描く、織りと染め、人生におけるプロジェクト全体を成功させるための、忍耐力と自信がつきました。

−−その学んだスキルを、その後の仕事や暮らしにどう生かしていますか?

私は急がず、最終目標や将来の展望にそぐわない、リスクとなる不要な仕事や物事を減らすようにしています。

Elfviks Gård Bistro

−−Patriciaさんがビストロを経営するようになった経緯を教えてください。同じ建物内にアトリエを借りて、そこでどうしてオーナーとして働くことになったのでしょうか? 子育てしながらのライフスタイルに合っているのでしょうか。

アトリエもビストロも田舎の羊牧場にあります。私は自然や古い建物が好きで、ある夏の日、その場所を見つけ、そこで働きたいと思ったのです。しかし、織りで収入を得るのは厳しく、特に私とパートナーは子どもをすぐに望んでいたため、生計を立てるために他の手段を見つける必要がありました。前のビストロのオーナーがお店を手放したがっていると知り、私は自分が引き継げると伝えました。ほどなくして息子が生まれたのです。実際に経営すると、多くの仕事を抱えてとても大変ですが、この暮らしを気に入っているので、他の生活をしたいとは思いません。

−−手でものをつくるという観点では、料理と織りはつながる部分もあるように思いますが、いかがでしょうか?

私のビストロでの仕事と織りは幾通りもつながっていると思います。両方とも、多くの時間を費やす大変な仕事です。いざ始める時には、とにかく完成に向けてやるべきことをやるだけなのですが、その前にアイデアや思い、気持ちから始まる。そんな目に見えない時間も同様に、ものづくりを行う要素になっています。私は、たくさんのパンやケーキ、クッキーを焼きます。単に同じことの繰り返しであっても満足を感じます。時折または何度も、織りがもたらす感覚と同じものを感じます。たとえば、ビストロを経営するのは、手で作って働き、目の前に何かがあり、多くのルーティーンがあり、何度も繰り返し同じものを作ることです。ですが、織りと同様、瞬く星のように、心に直接響くような創造のインスピレーションが現れます。

−−Patriciaさんにとって織りとは?

現時点で、日常生活の中で織りが占める割合は小さいです。私は毎日ビストロを営業していて、日々仕事が舞い込んできます。私の織りのアトリエは、ちょうどビストロの上階にあり、週に1回ぐらいは、屋根裏部屋に上ってアトリエに入り、深呼吸します。近い将来、私はそこで再び織りを始めることがわかっています。それまでの間、繊維や機の素晴らしい香りを吸い込み、次のテキスタイルのプロジェクトの夢を描きます。


website: Elfviks Gård

instagram: @patriciaschoeneck @elfviksgardbistro

2013年に英語版ブログに掲載した Patriciaさんの “Student Voice” の記事です。KTS修了展で展示した作品も見ることができます。

スクールをつづる:国際編6 修了生インタビュー「文化の融合を見つめ、織り空間の可能性を探求」Rosa Tolnov Clausenさん

川島テキスタイルスクール(KTS)を紹介するシリーズの国際編。第4回からは4週にわたり、織りとの多彩な関係を持つ世界中にいる修了生にインタビューした内容を紹介しています。第6回のRosaさんには、KTSに学びに来た経緯や、スクールで影響を受けたこと、自身が考える織りとは?に加え、自主制作において通常は織り作品を制作するところ、ワークショップ「Everything I Know About Kasuri(私が知る絣のすべて)」を行った動機や、織りを空間として捉えるという、まったく異なるアプローチを実践した考えについて話を伺いました。

Weaving Kiosk
9つの、一時的な織りの空間のシリーズ。
デンマーク、スウェーデン、フィンランド、アイスランド 2017-2018
写真:Johannes Romppanen
Rosa Tolnov Clausenさん(デンマーク)
テキスタイルデザイナー・博士課程の学生
スウェーデンとフィンランドに居住
2013年秋、絣基礎・絣応用I, II, III*受講

*現在は絣応用IIの一部

−−KTSに学びに来た経緯を教えてください。

KTSのことは既に知っていました。知ったきっかけは覚えていないのですが、友人の Johanna が前年にKTSで学んでいるのを知り、私も行きたいと思ったのは確かです。KTSで学ぶのは、日本に行くことと同時に、絣の技術を実践で考察する絶好のチャンスだと思いました。私は既に絣に興味を抱いていて、2012年にフィンランドの Aalto University に交換留学した時、絣の研究プロジェクトを行っていました。フィンランドには、日本と同様に絣の伝統があり、それは Flammé (Flame) と呼ばれています。フィンランドの織り手は、とてもシンプルな絣のバリエーションを異なる民族衣装に用います。しかし私の知る限り、 Flammé はフィンランドで教えられていないです。KTSで学ぶことは、日本に長めに滞在し、テキスタイルの伝統の見識を得て、その分野の専門家を知ることができる機会だと思いました。

−−KTSで学んだことで、どのような影響を受けましたか?

京都にいて、KTSの環境に身を置くことは非常に刺激的で、私は今もその経験を生かしています。

KTSでは自分で作品を織る代わりに、文化交流と美的感受性に関わるプロジェクトを実施しました。但し、それは織ることから離れたものです。“Everything I know about Kasuri(私が知る絣のすべて)” というワークショップを実施し、主に京都の人たちを招きました。絣の技術を媒介にして文化交流するという着想です。このプロジェクトについて論じ、KTSの先生たちから信頼とサポートを受け、実際に京都で実施できた経験は、自分の考えに自信がついた点で確実に意味があり、以後、帰国してから行った多くのプロジェクトに影響を及ぼしました。

Flamméのサンプル
Dräktbyrån Brage(ヘルシンキ)所蔵
写真:Rosa Tolnov Clausen

−−自主制作でワークショップを開催するという決断は、Rosaさんのそれまでの空間作りや人に教えたり共有したりしてきた経験とつながっていますか? 背景にある考えを教えてください。

KTSに来た時、私はデンマークにある美術学校 Design School Kolding のテキスタイルデザインの修士課程を卒業したばかりでした。私の卒業プロジェクトは、目の見えない織り手の人たちと協力して、共にデザインすることでした。私はそのプロジェクトを通して、織りの空間が生産する場所であることに加え、織りに関わる人々にとって、他にどんな意味を持つようになるのか、例えばそれはデジタル化がさらに進む世界において、他者と関わる社会空間としてや、身体的、物理的なクリエイティブ空間となることに気がつきました。それ以来、プロジェクトから織り空間のさらなる意味を探るのが、私の関心になりました。

日本、特に京都に来た時、私は都市空間にある手工芸の存在にとても魅かれました。散策した時、非常に現代的でデジタル化された都市景観の中で、ごく自然な一部として熟練の職人さんが縫う、織る、ハンマーで叩くなどしている光景を見ました。それで手仕事とデジタルは共存できる気がしたのです。さらに私が訪れた他の都市にも織物ワークショップがあり、参加者はプリントしたり、編んだり、織ったりしていました。

こうして私は周囲の環境によって、美を見い出す感性を身体感覚として養っていきました。私自身は、日本の文化やファッションに触発されて影響を受け、同時に日本の人々やブランドが、北欧の文化に着想を得ていることがわかってきました。私たちは互いに解釈し、その結果、完全な北欧でも日本でもなく、融合した新しいものができている。

それらの印象から、ワークショップ “Everything I know about Kasuri” を着想したのが背景です。私は、文化的な出会いや情報交換の場を提供できるような都市空間で、織物のワークショップを作り出したかったのです。

−−外国人として他国の伝統を教える上で、文化的に気をつけた点はありますか?

もちろんあります。私は日本で3カ月しか過ごしていないデンマーク人として自覚的になり、日本の人たちに対して日本文化を教えるという主張をしないように、かなり慎重に取り組みました。ワークショップのタイトルを “Everything there is to know about Kasuri(絣について知るべきことすべて)” ではなく、 “Everything I know about Kasuri(私が知る絣のすべて)” と名づけたのは、そのためです。たった2カ月学んだだけで専門家のように振る舞いたくはなかったのです。ワークショップでは導入部分で、自分がよく知っていて、参加者が知らないであろう内容を加えながら、フィンランドの歴史を強調して伝えました。

ワークショップ Everything I Know About Kasuri
京都 2013年12月
写真:臼田浩平

−−ワークショップ実施の経験からどのように自信を得て、それは、その後のご自身にどんな影響を及ぼしましたか?

上記で述べた印象を基に、私はKTSの自主制作でワークショップを開催することは、正しい決断であるという強い直感がありました。しかし、通常は織り作品を制作するところ、まったく異なるアプローチであることや、不適切な方法で文化的な境界を越えてしまうリスクを考慮してか、私の考えについて初めから先生全員が完全に納得していたわけではありませんでした。そこで、このプロジェクトがどのように実現できるのか、作業時間の計画を立てるように指示を受けました。私はそれを行い、先生たちから了承を得ることができました。先生たちには、備品を見つける時や連絡時など計画段階でたくさん助けてもらいました。

当日は、KTSの先生や生徒たちも来てくれました。私は直感に従い、外国の視点をふまえたプロジェクトの実現のために全力を尽くし、成功を収めることができた。そのすべての経験を通して私は、自分の考えを信じること、できると信じて集中することの両方において多くの自信を得ました。

−−KTSでの経験は、その後のご自身の学術的・専門的な仕事において影響はありましたか? あった場合、どのような影響を及ぼしたか教えてください。

上記で主に述べた内容には、自信をつけるという意味合いがあります。さらに、初来日と初めてKTSに来たことで、私は多くのプライベートと仕事上の関係を築くことができました。出会いにとても助けられて日本に戻ってきやすくなり、2015年と2017年に再来日しました。私は、2017年に金沢21世紀美術館で開催された、日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念展に一連のワークショップを開催するのに招かれました。その時、KTSの修了生である渡部加奈子さんと、東京拠点のカメラマンの臼田浩平さんがたくさんサポートしてくれました。

−−Rosaさんにとって織りとは?

私の織りとの関係は、絶えず変わっていきます。当初は、私にしっくりきたように感じました。織るのが楽しく、得意だと感じるようになり、時が経つにつれて、それは私の生き方となり、仕事の一部となりました。私は現在、自分が織るよりも、他の人々が織れる空間を作っています。ですが、このことさえも今後、数年で変わっていくだろうと想像しています。


ワークショップ Export/import
金沢21世紀美術館 2017年
写真:臼田浩平

website: Rosa Tolnov Clausen

スクールをつづる:国際編5 修了生インタビュー「タイの藍工房からKTS、 土地と暮らしに合わせた、ものづくり」Zazima Asavesnaさん

川島テキスタイルスクール(KTS)を紹介するシリーズの国際編。前回に引き続き第5回も、織りとの多彩な関わりを持つ世界中にいる修了生に、KTSに学びに来た経緯や、スクールで影響を受けたこと、学んだスキルの生かし方、自身が考える織りとは?についてインタビューした内容をお届けします。

「以前使用していた、家族の藍染工房。サコンナコーンにある。そこで、私は初めて藍染めを学びました。インド藍(Indigofera tinctoria タイワンコマツナギ)はこの地域で育てられたもので、ここで植えられ、収穫され、ペースト状にされました。土製の小さな壺に藍が入っており、通常、一つの壺につき、一日に1、2回、小さな糸の綛を染めることができます。」

Zazima Asavesnaさん(タイ・ドイツ)
テキスタイルアーティスト・天然染色家・衣料のスモールビジネスのデザイナー/製作者
タイ在住
2013年春、ビギナーズ、絣基礎・絣応用I受講

−−KTSに学びに来た経緯を教えてください。

私は小動物の獣医師として働いていましたが、結婚を機に夫の故郷のサコンナコーン(タイ東北部)に転居。そこは夫の家族が20年以上、天然の藍を建てて藍染めを行っている場所でした。私はそこで藍や他の草木の天然染色を学ぶ機会があり、その経験が後に、織りへの興味につながりました。とても親切な地元の女性職人の方々が、自身の知識を喜んで私に分かち合ってくれたのが、初めての機織り経験でした。理論は全くなく、ただ見よう見真似で取り組みました。

その経験から多くの質問が浮かび、織りの可能性を知りたいと思うようになって、織りを学べる場所を探し始めました。この地球上のどこかに、そんな学校が本当に実在するのかも知らずに。インターネットでKTSを偶然見つけ、そこは私が探し求めていた場所だとすぐにわかりました。スクールは、私がこれまで訪れた中でお気に入りの街の一つに所在していました。加えて自然に近く、市街地からも離れておらず、日本の文化や現代アート、生活様式が見られる場所。さらに織りの原理や、日本の伝統的な織りを学べること、そして異なる背景や織りの伝統がある人たちと出会える留学生の小さなコミュニティに入るのがとても楽しみでした。

−−KTSで学んだことで、どのような影響を受けましたか?

様々な年齢のテキスタイルを愛する人たちに囲まれて過ごしたことで、良い刺激を受けました。私たちはエネルギーを交換し、過去や経歴に関係なく通じ合い、織りの世界に迎え入れられているように感じました。留学生コースのクラスメイトだけでなく、長期の専門コースに通う優れた日本の学生の皆さんとも友達になり、その方々が隣の教室や上階で取り組んでいる素晴らしい制作プロジェクトをひそかに観察していました。特に2階アトリエでのタペストリー制作が素晴らしいと感じました。下絵をもとにして織られたタペストリーを実際に目にしたのは、私にとって初めてのことでした。

独学のアーティストである私に、KTSは織ること、人生において新たな知識を求めて学び始めることの自信をつけてくれました。(2013年)春コース修了後、私は本格的に織りたいと思い、織りのプロジェクトを行って生計を立てられるように、時間を費やして将来計画を立てる決心しました。

個展 “Door” (2018)
「2018年にチェンマイのRanlao Bookshopで開催された初めての個展。コンセプトは、ソーシャルメディアの時代における感覚の自己探求について。 伝統的な機と、枠機で作られた、6枚の手織りのテキスタイルを展示しました。すべて私の一番好きな天然染料である、藍で染めたものです。 写真の作品では、米糊を使用した型染めの技法を使っています。」

−−その学んだスキルを、その後の仕事や暮らしなどにどう生かしていますか?

私は、綿や麻など地域にある自然素材や、そこで収穫された天然染料をよく使っています。初めは、防染の技術を使ったシンプルな平織りの服を作っていました。平織りはシンプルな織り方である分、織りの技量不足がたやすく表れるため、私にとってはとてもストレスになりました。

私は洋機(ジャッキ式または天秤機、ろくろ式)を持っておらず、持っている知識で大体は適応していきました。KTSで「織ることは誰でもできるが、美しく織ることは誰もができることではない」と素晴らしい先生が教えてくれた考えを念頭に置き、私は自分の機(イサーン〈タイ東北部〉伝統の織機)で、経糸の張りを均等にしたり、織り端をきれいに揃えたり、経糸の乱れをきれいに直したりして、洋機と同じ結果が出ることを目指しました。それは、いつでもできる時にスキル向上に励もうという気づきにもなりました。

私は、自ら織ってテキスタイルに注いだ努力とスキルは、その背景にある想像力や考えと同様に大切なことであると信じています。ここ数年、私は綴れ織りを習いたくて仕方がなかったのですが、その機会がありませんでした。2年前、油絵用の木枠を使って枠機を自分で作り、独学で学び始めました。1年経って、人物像(細部は刺繍を追加)の小さなタペストリーを織るのに楽しみを見い出し、以来ずっと続けています。綴れ織りは、KTSで得たスキルではありませんが、すべてはKTSから始まっているのです。

−−Zazimaさんにとって織りとは?

私自身を知っていく旅のようなものだと思います。機に座って動作を繰り返すことで、身体を使った旅の代わりに内面の旅をしている感覚です。物理的には、身体リズムのバランスを見つけるのを試み、様々な機会において、私の考えや感情、感覚を探求しています。私は時折、間違った方向に進みがちになるものと、格闘している気分になることがあります。どのような結果になろうとも、受け入れなければいけない。

イサーンの機
「この機は地元の大工さんが作った、古い伝統的なものです。 もともとはある高齢の女性のものでしたが、その方が亡くなり別の方の手に渡り、予備の機として使用されていました。使われなくなって私の手元へ。筬、綜絖、綜絖枠、踏み木は、紐と竹の棒で機に取り付けられています。 経糸を直接機に結びつけ、手動で解いて引っ張ることによりテンションをかけます。」

instagram: @zazieandherloom @wildstagram

2014年に英語版ブログに掲載した Zazimaさんの “Student Voice” の記事です。KTS修了展で展示した作品も見ることができます。

スクールをつづる:国際編4 修了生インタビュー「工業デザイナーからKTS、英国の大学院へ」Tiffany Loyさん

川島テキスタイルスクール(KTS)を紹介するシリーズの国際編。KTSは手織りを学べる学校として、海外の織りに携わる人たちの間で広く知られています。開校当初から国際的に門戸を開き、京都で手織りの確かな技術が身につけられる、と受講者の口コミで評判が徐々に広まって現在に至ります。第4回からは4週にわたり、織りとの多彩な関わりを持つ世界中にいる修了生に、KTSに学びに来た経緯や、スクールで影響を受けたこと、学んだスキルの生かし方、自身が考える織りとは?についてインタビューした内容をお届けします。

写真:Ed Reeve
「このサイトスペシフィックな(特定の場所に関わる)インスタレーションは、彫刻の概念化と構築に織り手のアプローチを取り入れています。英国の伝統的な製糸工場であるGainsborough Weavingと共同で制作され、ロンドンクラフトウィーク2020で発表されました。」

Tiffany Loyさん(シンガポール)
デザイナー(独立)・アーティスト
シンガポール在住
2015年春、ビギナーズ・絣基礎・絣応用I, II, III*受講

*現在は絣応用IIの一部

−−KTSに学びに来た経緯を教えてください。

以前、工業デザイナーとして働いていた時、仕事でテキスタイルを扱う中で、布への関心が高まっていきました。布地がどのように作られるのか、一歩踏み込んで学んでみたいと思い、織りを学べる短期コースをインターネットで検索。KTSのウェブサイトを見つけ、修了生の作品に感銘を受けて応募しました。異文化に身を置いて、新たなスキルを身につけたいと思ったのも動機です。

−−KTSで学んだことで、どのような影響を受けましたか?

受講開始時、(仕事など日常生活から離れて)実り多い学びのための3カ月間の旅に出た感覚でいました。講座で織物の構造に関する知識を得たことは、テキスタイルを基本とした私の将来のプロジェクトに役立ちました。

初めは、必要な設備や道具の多さを考えると、シンガポールに戻ってから織りを続けるつもりはありませんでした。しかし、個人制作を行う絣応用IIIの終盤になると自分で織りのプロジェクトを行う自信がついてきて、学んだ技能を発展させるのが楽しみになってきたのです。この旅の終わりに織りを辞めてしまうのは、とても残念なことに感じました。それでシンガポールに戻ってから、小さな織りのアトリエを構えて、地元のデザインに関わる人たちに私の織り作品を見せようと決めました。

Pastiche (2018)
「捺染絣の技法を取り入れた手織りの布です。この一点ものの作品は、家具ブランドZanottaのSacco beanbagデザインの50周年記念の一環として作られました。」

−−その学んだスキルを、その後の仕事や暮らしなどにどう生かしていますか?

この10週間のコースを通して、織りと染めの確かな基礎技術を身につけたことで、修了後も自主的に学ぶことができるようになりました。制作の手法を比べる時に、今でも当時記した授業ノートを参考にすることがあります。私は今も織り続け、習った技能を広げて自分のデザイン・プロジェクトに取り入れています。シンガポールに戻って間もなく、自分で織ったいくつかのタペストリーを地元の展覧会に出展。そこで初めてのクライアントと出会い、その人のブランドの織りデザイン制作の依頼を受けました。仕事として織りを追求していくことに希望が持てたのです。

KTSを修了してから3年が経ち、私は次の学びに踏み出す時だと感じました。シンガポールには、テキスタイルの工房も教育施設もありません。そのため、ジャカード織のデザインのような専門知識と技能を更に身につけるためには、再び海外に行く必要があります。そこでイギリス、ロンドンにあるロイヤル・カレッジ・オブ・アート(英国王立芸術大学院大学・RCA)で学ぶために、デザインシンガポール・カウンシルの奨学金をなんとか得ることができました。修士課程で学ぶことは、他の場所で織物を学んだ学生との出会いであり、それぞれの織り手法の違いを見るのが興味深かったです。私は、織りの一つひとつの手順を熟知し、手順を変更することで全体的にどのような影響が出るかをよく分かっていました。そのKTSで身につけた確かな基礎力があったからこそ、RCAではより実験的な制作に取り組むことができました。

−−ティファニーさんにとって織りとは?

私は織り方を学ぶ前に、プロダクト・デザインの訓練を受けてきたことから、手法や活用法の違いを常に意識してきました。織っている時は、至近距離で自分の制作内容を見て、時折ルーペも使って確認しないといけないと感じます。同様に目を遠ざけて、物として布全体を見る必要もあります。その2つの観点の間を行き来することは、織り工程において2つの異なる見方ができるようになるという独自の気づきがありました。

また、技法としての織りは、決して布に限定されるものではない。私にとって織りは構築の手段であり、線を組み立てて、表面と厚みを形作る方法です。抽象的に見ると、織りの技法は、彫刻や建築など、アートやデザインの他の形に応用できるものです。

Lines in Space (2019)
「RCAで完成したプロジェクトです。布の表面を最小限の線に減らし、捩り織りの構造を探求しました。」

website: Tiffany Loy
instagram: @tffnyly

2016年に英語版ブログに掲載した Tiffanyさんの “Student Voice” の記事です。KTS修了展で展示した作品も見ることができます。

修了生を訪ねて:手織り布「atelier KUSHGUL」寺田靖子さん

川島テキスタイルスクール(KTS)の専門コースでは、年に一度、織りを仕事にしている修了生による授業を行っています。2001年度修了の寺田靖子さんは、「atelier KUSHGUL」というオリジナルブランドを立ち上げ、手織り布の製品作りをしています。校外学習として、寺田さんのアトリエを訪ねました。ギャラリーと工房が併設されている空間で、寺田さんが在学中に修了制作で手がけたファイバー・アート作品や、初めて製作した洋服、生地サンプル、製品の数々を見せてもらいながら、自身と手織りの関係や、その歩みについてじっくりとお話を伺いました。

◆ 自分なりの感覚を見つけたKTSでの2年間           

手織りを仕事にしたいと願う人なら憧れるようなスタイルを実現している寺田さんですが、開口一番おっしゃったのは「苦労しながら何とか手織りを続けて、今」に至る、ということ。大学で1年次に建築、2年目以降にデザインを学ぶ中で、服をはじめ身近にある柔らかな繊維素材に興味を抱きます。KTSの修了展でファーバーアートの造形作品に出会い、「直接全身の感覚に訴えかけられた」衝撃を受け、KTSに入学。スクールでの2年間は、織りに没頭することで「思う存分、自分の感覚と向き合った時間」、そうして見つけた〈私なりの感覚〉は「今も布を作る上で土台になっています」と話します。

修了後は、飲食店で働きながら制作活動に励む日々。織り関係で就職しなかったのは、当初から作家を目指しており、「就職して仕事でも織りのことで頭を使ってしまったら、自分の創作ができなくなると思ったんです。私は器用じゃないので」という理由から。毎月、糸代を何とか捻出する生活を送りながら、「自分の織りの時給が、勤めの時給を越えたら辞める」と目標を決めます。週5からシフト勤務ができる職場に転職し、仕事後、夜に創作する時間を確保してペースをつかんでいき、2010年に現在のアトリエへ。

◆ 生活の中で揉まれて擦り切れて捨てられる、人と布との関係を知りたい

KTSで見つけた寺田さんの感覚の土台とは、強く撚った糸や、織り方の違いによって「表情を出す」ことで、それが製品につながっていると言います。今も「手織りとは何だろう?」と問い続け、織りながら探る日々。手織りのベストを試着した学生の一人は、「やわらかい」とぱっと笑顔に。寺田さんは、「すべて手作業で行うことで、糸に負担をかけずに布地を織り上げることができる。糸と糸の隙間に空気の層ができて、軽さと暖かみが出ます」と説明。カバンの布の表情、傘の布地の立体感、カディ(インドの手紡ぎ・手織り布)を使ったシャツ、需要が多いマフラー……。「人の生活の中で、揉まれて擦り切れて捨てられる、人と布との関係を知りたい」と、寺田さんは一途に追求しています。

新たな取り組みとして、服に仕立てる縫製も開始。「既製服を買うのに慣れてしまったのが、この半世紀。ですが今、コロナの影響で服が世界的に余ってきている。私自身、ものが余るのに嫌気がさして、織りから服作りまでを一手に引き受けています。オーダーメイドで袖の長さなど一人ひとりのサイズに合わせて、お客さんと一緒に考えながら作り、1着ずつ販売するスタンスが、とてもしっくりきています」

タコ糸のカバンシリーズ。組織織りと平織りの組み合わせで、シボが出たり、厚みが変わったり、縮み具合が変わる。生成り一色のツルッとした糸を使って、どれだけ布の表情を出せるかがポイント。

◆ 織るペースは1時間平均70センチ

工房では、寺田さんがKTS修了後にスクールで購入し、20年近く使い続けているジャッキ式8枚綜絖の織り機を見せてもらいました。この一台で、様々な商品を生み出し、やわらかな風合いの織物に仕上げていることに、学生からは驚きの声が上がりました。織るための準備の一つに、整経した経糸を機に巻き取る経巻きという工程があります。大抵は二人がかりで両端を引っ張りながら行う作業を、寺田さんは一人で行っているそうです。手前に引くと同時に、足先を思いきり伸ばして指をレバーにかけて回すという難技に、皆で目を丸くして見入ります。「左右90センチ織り幅のテンションを一定に合わせながら、糸が切れずにきれいに巻き取る。この機と10年20年と付き合ううちに、それができるようになりました」

学生から、織るペースについて質問が上がりました。「1時間平均70センチ」との返答に、「えーっ!」と驚きの声が。「カシミアの大判ストール2.5メートルで3時間。材料費などの経費を考えると、4時間かからずに織らないと仕事として成り立たないので」。地道に手織りを続けて、自分に合う織りの道を切り拓いてこられた寺田さん。「仕事を辞めた時、不安で毎日胃が痛かった日々もありました。でも夢中になって続けていると、新しい出会いや次の予定が何かしら入ってきて、つながっていきます。機織りは時間がかかります。生活とやりくりしていくのに、とにかく必死に織り続けてきましたが、自分の手で布ができていく感動は今もずっと続いています」

◆ アナログだからこそ必要な感覚

学生へのアドバイスとして、「自分自身の感覚と存分に向き合ってください。それは必要な時間だと思います。世間の感覚に揉まれたら分からなくなるので。私も川島での学生時代、思いきり取り組んだことが今につながっています。色の感覚や肌に感じる感触など、蓄積されたものがたくさんあります。そうして自分を知ることは、生活の中でも役立ちますし、何をするにしてもベースになります」。

スクールに対しては、「手織りはとてもアナログですが、こんなにデジタル化が進む中で、人間であることを忘れないために必要な感覚。体を動かして、ものを作る。(手織りを教える)川島テキスタイルスクールの役割は確かにあると思います」ときっぱり。修了生にこんなふうに道を切り開いた先輩がいるという寺田さんの存在を知り、手織りを続けていくこと、その強い意志と魅力を存分に感じた課外授業となりました。

修了制作の作品。表面は象の皮膚のイメージ。リネンを強撚糸にして織り込み、撚りが戻る力で皺が生まれる。学生時代、テクスチャを追求することの大切さを学んだ。
◆ 寺田さんにとって織りとは? 「無駄が出ない魅力」

私は、誰かに使ってもらう布を作っています。人と布との関係を探っていくのがテーマ。そこで布とは?と考えると、人には必要不可欠なもの。現代は服作りが機械化されて、服にまみれて人は生きていますが、昔は手織りで服を作ることが生業にできていた。それはどういうことかと考えながら日々織っています。一人の人間が、誰か一人に対して作る布。儲かる概念はない。ですが無駄にはならない。作り過ぎることもない。できるだけゴミにならない布地を作るよう心がけています。

〈寺田靖子さんプロフィール〉

てらだ・やすこ/京都工芸繊維大学造形工学科卒。2001年、川島テキスタイルスクール専攻科修了。2007年より「atelier KUSHGUL(アトリエ・クシュグル)」として、手織り布の製品作りをスタート。2010年から京都にある、服とギャラリーの店「Mustard-3rd」内のアトリエにて日々機織りをしている。

website: atelier KUSHGUL
instagram: @atelierkushgul

スクールをつづる:国際編3 留学生コース担当・表講師インタビュー「手織りをつなぐ」

川島テキスタイルスクール(KTS)を紹介するシリーズの国際編をお届けします。第3回は、海外からの留学生向けに初心者コースと絣コースを英語で教える表江麻講師のインタビューです。自身の海外経験、テキスタイルとの出会い、KTSで手織りや絣を教えることの思い、留学生との出会いから影響を受けたこと、スクールから見える国際性について語られた内容をお届けします。

エストニアのTartu Art College(現在はPallas University of Applied Sciences)でKTSについてのプレゼンテーションをする表講師 2015年

◆  暮らしが豊かになるものを作る

表講師は2009年にKTSを修了後、スクールのアシスタントに。同年、スクールが海外向けに「ビギナーズ」と「絣」を英語で教える「留学生コース」を設定したタイミングで、留学生の授業を山本講師と共に担い、国際コーディネートも担当することになりました。

自身も海外で暮らした経験が2度あります。最初は、子どもの頃にアメリカで。現地の公立の小学校に通っていた時、英語はアジア人である自分が周りと対等に交流するのに必要な手段だったそうです。次は、京都精華大学に在学中、交換留学でフィンランドへ。美術を幅広く学びたいと思い洋画を専攻し、留学先でやりたいことが少しずつ見えてきました。「テキスタイルを専攻している友人たちが、『使う』『着る』という明確な用途のあるものづくりをしていて制作に対するアプローチに魅力を感じたことと、明るいテキスタイルを室内に使って暗い冬を過ごすなど布が生活の中に溶け込んでいて、暮らしが豊かになるものを作るのが素敵だなと思ったんです」

日本が本場の技術を日本で学びたいと思い、大学卒業後にKTSへ。「年齢、国籍、経歴問わず、学びたい人に対してオープンなKTSがあったからこそ、好きな技術を身につけられました」。色の組み合わせと直線で考える、制約がある中でのものづくりが好き。作家活動で着物制作をし、スクールで海外からの学生に手織り技術を教える。いま、日本のことを世界に伝えるという、目指していたことが実現できている実感があるといいます。

◆  世界中の織り手との出会い

母校が職場になり、主に海外から学びにくる人たちに教えて約10年。少人数制で、確かな技術を教えるスクールの方針に加えて、自身としては「学生にとっていい経験になるように」、「自国に帰ってからも一人で織れるように」心がけてきたそうです。「授業では、緯糸を織り込む角度や密度を安定させるなど美しく仕上げるコツを教えています。学んだことを帰国後に生かしてもらえたら嬉しいです」。

スクールから見える、世界の距離感があります。「織りをする人は、手仕事が好きで根気強い人が多いのではないかと思います。国や文化の違いがあっても、そうした技術との相性や、手織りに対する価値観の共有など、似たところがある人が集ってくる印象があります」。世界中の織り手との出会いが、教える喜びの一つ。その中で、自身の織りに対する思いに変化が生じます。

◆  絣にとって何ができるか

変化のきっかけは、受講者から「歴史について聞かれることが多い」ことから。「留学生は、技術に加えて、昔は何の道具を使っていたのか、各地域の特徴など歴史的な背景の質問が多いです」。日本の手仕事、その伝統を作ってきた人たちに思いを馳せるようになり、「絣に対する思いが強まり、単に技術を教えるだけではなくなりました」。

そこで芽生えたのは、「技術を継承し、世界中に種まきをしている」という意識。「手織りは紀元前からつながっている歴史のある技術。(デジタル化が主流の)今の時代に、あえて手織りに特化したユニークな学校があり、47年続いていて、そこで学び働いている。時代が変わり消えてしまう技法がある中で、絣という手織りの技術をどうつなげていけるか。絣にとって私は何ができるか、役割を考えています」。

機が百台以上あり、染色室も整備され、織りも染めも専門の先生がいて、寮など設備が整うKTS。この規模で運営し続ける「手織りに特化したスクールがあるのはすごい」と留学生に言われることが多いそう。「海外でも大学のテキスタイル学科が閉鎖された話を聞きます。織りが好きな人が学びに来られる場として、KTSがこれからも息長く存続していけるよう力になりたい」と話します。

スクールをつづる:国際編1 「種をまき、静かに持続する」
スクールをつづる:国際編2 「織りとの関わりの多様性」

スクールの窓から 2 「デザイン演習 I」

川島テキスタイルスクールの専門コースでは、様々な先生が教えています。専任講師をはじめ、外部からも作家や技術者などを講師に招き、風通しのいい環境を作っています。このコーナーでは、そんな専門コースの授業の一部ををお届けします。今回は担当講師による紹介です。(不定期掲載)

5回目:デザイン

4月から5回にわたり、本科では「デザイン演習」の授業を行いました。授業ではデッサンをすることで果物や野菜などのモチーフとじっくり向き合い、5回目に織実習・綴の自由制作で織るタペストリーのデザインをしました。

普段の生活の中で、わかったつもりでいる物は意外と多くあります。果物や野菜もしっかり見る機会はあまりなく、食材として数秒間見て状態を確認するだけで終わりがちです。何時間もかけてじっくり見て、触れて、想像することで、新たな面を発見し、ものの見え方が変化する感覚を味わうことは制作において貴重な経験になると思います。そうした観察眼を磨くと、制作のインスピレーションをどこからでも拾えるようになり、モチーフとしっかり向き合った経験がデザインに表れます。なによりも、日常の中で見えるものが変わったりと、ワクワクすることが増えます。

綴のタペストリーのデザインではモチーフの面白いと思ったところからデザインをふくらませ、どういう場所に飾るかなどを想像してもらいました。6月には織実習で綴のサンプルを織り始めていたので、どういう糸や技法を使うかも考えてのデザインになりました。

学生にとって、この授業で得た新しい経験や見方が、今後の制作の下地になったら嬉しいです。

◆ 私にとって織りとは? 「レンズ」

制作をし、スクールで働くことによって身につけた織りの感覚がいつも自然と動いている気がします。日常生活の中で路面表示の矢のマークなどが絣の模様に見えたり、ものを測るのに織りの道具が基準になったりと、無意識のうちに織物のレンズを通して物事を見ていることに気づきました。同時に視野を広げて、織物の長い歴史の中での自分の役割は何だろう、と考えています。

(文・表 江麻)

〈表 江麻プロフィール〉
Instagram: @emma.omote

おもて・えま/京都精華大学芸術学部造形学科洋画科卒業後、川島テキスタイルスクール専攻科修了。着物を制作し、2009年より川島テキスタイルスクールで国内外の学生を教える。