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2024年度修了展ご来場のお礼・春期休暇のお知らせ

2024年度修了展(3月5-9日)が無事に終わりました。会期中の様子や作品についてはinstagramfacebookの過去の投稿でご覧いただけます。多くの方々にご来場いただき、ありがとうございました。

誠に勝手ながら下記の期間におきまして春期休暇とさせていただきます。

春期休暇:2025年3月20日(木)-3月23日(日)
商品出荷業務停止期間: 2025年3月28日(金)-3月31日(月)
なお、2025年3月27日(木)は入金確認分のみ出荷させていただきます。
※在庫状況およびご入金状況により、最終出荷日までに商品が発送できない場合があります。

なお、期間中のご注文およびお問い合わせはメールでお願いいたします。
期間中にいただきましたご注文、及びお問い合わせにつきましては、休暇日明け以降に順次対応させていただきます。

ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

在校生インタビュー「やってきたことすべて次に繋がっていく」福井麻希さん(2024年度・専門コース専攻科)

8年勤めた仕事を辞めて川島テキスタイルスクールに入学し、専門コースで学ぶ福井麻希さん。2年目の専攻科では、尾州ファッションデザインセンター主催のものづくりの人材育成事業「翔工房」の書類選考に通過して参加。応募時に作成したデザイン画をもとに、経験豊富な「匠の技」をもつ技術者とコラボレーションして衣装を制作し、ファッションショー、展覧会までを行う事業に取り組みました。このほど繊維業界に就職が決まった福井さんにインタビューを行い、翔工房の経験や、スクールで学ぶ中でどのように自分の適性を見つけて職を得たのか、について語ってもらいました。

福井さんがデザインした生地
写真提供:(公財)尾州ファッションデザインセンター

◆織りの共通言語を持っていた

——福井さんは元々服が好きで、特に生地に興味を持って専門コースに入学されました。2年目の専攻科で「翔工房」にチャレンジしたのは、入学当初の服の生地の興味からでしょうか。

はい。ただ2年目の専攻科では(インテリア・ファッションテキスタイル・着物・帯・造形とコースが分かれる中で)インテリアに進みました。そこでファッションをあえて選ばなかったのは、私は在学中にいろいろ作ってみたい気持ちがあって、特に立体制作に興味があって、インテリアだと空間を使える分自由度が高いと思ったからです。それで2年目はずっとインテリアの織りに専念してきたのですが、元々ファッションに興味があるのを先生もご存知で、情報を教えてもらいました。チャンスがあるならやってみたいと思って応募し、テキスタイルマテリアルセンター(岐阜県羽島市)にも見学に行きました。センターで多種多様な生地を見る中で、機械織りだからこそ実現できるデザインの面白さがあるなと思い、尾州産地のものづくりに更に興味を持ちました。

——「翔工房」では、「匠」と呼ばれる熟練の生地設計の技術者の方からマンツーマンで指導を受けて衣装を製作しました。製作プロセスを教えてください。

まず合同ミーティングで匠の講師の方と顔合わせがありました。その時にテキスタイルマテリアルセンターで一緒に素材サンプルを見て、色や生地の具体的なイメージを共有しました。事業の拠点が尾州(愛知県一宮市や岐阜県羽島市など)で、私は京都で遠方のため、その後は匠講師が資料や糸のイメージのサンプルなどを送ってくださって電話でやりとりしながら進めました。匠講師は意匠糸や絣糸を使って奥行きのある色合いを表現したいという私の希望に対して、服にした時にどう映えるかを見通しながら、設計図に落とし込んでくださいました。都度すり合わせ、微修正をしながら進め、織る段階になると私も工場に出向いて生地サンプルを確認し、納得いく形に仕上げていきました。

——今回の現場で大変だったことや、スクールでの学びを生かせたことはありましたか?

他の参加者はファッションの学校から来ている方が多く、私のように手織りを学んでいる人は少なかったです。最終的に立体の服に仕立てるのに、柄合わせや繋ぎ目まで考えながらデザインするところまでは私は甘くて、難しかった面もありました。ですが普段から学校でデザインだけではなく自分で作っている分、専門的な説明も実感を持って理解でき、匠講師と話が通じやすかったです。機械織りであっても、綜絖とか筬とか基本的な構造は手織りの機と同じなので、機の綜絖枚数の制約でデザインを一部変更しないといけなかった時も、仕組みを理解し、納得した上で自分の希望を伝えられました。特に私の場合は遠方で電話中心のやりとりで、きちんとわかっていないと齟齬が出やすい状況だったからこそ、織りの共通言語みたいなものを持っていたのは良かったと思います。

——匠講師との製作経験を通して印象に残ったことは?

長年経験を積んでいらっしゃる分、引き出しの多さがすごいなと。匠メンバーの中でも、私を担当してくださった方は86歳で最高齢の方でした。年齢を感じさせず、ファッションに関わっておられるからか、匠講師はみなさんおしゃれ。その齢まで私は働けるかわからないなと思うと、現役でおられるのがすごいと思いました。私のデザインはさらさらと流れる川をイメージしたもので、水面のきらめきを表したいという希望に対して、ラメ糸を入れるなら塊で入れる方がランダム性が出ていいとか、私の中で出てこない発想のアドバイスをいただき、引き出しの多さに助けられました。デザインした服に最も適した素材選びや設計を考えて提案いただき、ファッションテキスタイルの考え方を学べて良い刺激を受けました。

ファッションショーで、デザインした衣装を紹介する福井さん(右)
写真提供:(公財)尾州ファッションデザインセンター


◆自分の得意や苦手を一つ一つ確認していった

——福井さんは専門コースで2年学び、就職の道を選びました。修了生はここ数年でいうと企業に就職する人もいれば、産地で織り職人になる人、ライフワークとして織りを続けていく人など様々です。スクールで学ぶなかで自分と織りとの関わり方を見つけていく人が多いですが、福井さんの場合はどのように適性を見つけたのでしょう?

入学した年は、あまり先の進路は考えずに、とにかく織物を勉強しようと思って取り組んでいました。専門コースで2年学ぶ中で、私の適性は職人や作家ではないなと感じていました。作るのは楽しいですが、私は性格上いろんなことに興味があって飽きっぽくもある(笑)。だから一つのことに専念するより、間に立ち、全体を見ながらいろんなことができる方が好きだなと。1年目の織り実習やデザイン演習、2年目の制作の日々を通して、自分の得意や苦手を一つ一つ確認していったところはあります。

——このほど繊維業界に就職が決まりました。仕事について教えてください。

リネンやタオルなど繊維製品を取り扱う会社で、求人を見つけて応募しました。社内全体の動きを把握しながら、製品企画にも携われるようで、これまで学んできたことが活かせると思っています。

——ご自分の適性に合った織りの道が見つかったということでしょうか。

そうですね。前職でも課全体を見ながら取り組む仕事で、この学校でも修了したら繊維業界で働けたらとは思っていたので、これまで自分のやってきたことがドッキングされました。今回の翔工房の経験も、2年目に参加した川島織物セルコンでの綴帯のインターンシップもそうですが、たくさんの人が関わる製作は次の仕事でもまた携わる機会があると思うので、見識を広げる経験になりました。これまでやってきたことはすべて次に繋がっていくんだなと実感しています。

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*専門コース本科時の福井さんのインタビュー記事はこちら

第22回 JAPAN YARN FAIR & THE BISHU「糸と尾州の総合展」
会期:2025年3月5日(水)- 3月6日(木)10:00 – 17:00
会場:いちい信金アリーナ(一宮市総合体育館)

2024年度川島テキスタイルスクール修了展
会期:2025年3月5日(水)- 3月9日(日)
会場:京都市美術館別館1階
時間:10:00-17:00 入場無料

*2025年度専門コース本科技術研修コースの入学願書の三次締切は3月6日です。コースに関する説明、学校見学は随時受け付けています。ホームページからお問い合わせください。

在校生インタビュー3 「作品づくりで、新しい自分に出会っていく」柳原久美子さん(2024年度・専門コース本科)

在校生インタビュー第3回は、学生の頃に川島テキスタイルスクールを知って以来、数十年越しに学びに来ている柳原久美子さんに、入学に至った経緯や、3月の修了展に向けて作品制作に向き合う思いなどについて語ってもらいました。
(インタビューは2024年10月に実施。)

——まずは入学の経緯を教えてください。
学生の頃、広島の実家から一番近い短大の染織コースに通っていました。進路相談時、繊維学専門の担任の先生が、学びを深めるのに川島テキスタイルスクールを勧めてくださったんです。私も進学したい気持ちはあって、学校見学にも行ったのですが、当時は家庭の事情であきらめてしまいました。以来ずっと思い続けていたわけではないのですが、学校の存在は心に残ってて。昨年大きな病気をし、回復していく中で残りの人生を考え、まだ何かできる可能性があると思った時に浮かんだのが、この学校でした。やっぱりものづくりがしたいという気持ちや、当時もっと学んで身につけたかった、とやり残したことを思い出したんです。ひとまずは病を乗り越えられたので、無難に日常生活に埋もれていくより、今こそ、この学校に来てみようと。家族が背中を押してくれ、オープンスクールに行って、願書を出そうとその場で決心しました。

——そこから入学して7カ月が経ちました。本科は盛りだくさんのカリキュラムですが、学びの実感はいかがですか。
私は絵を描くのが好きなので、まずデザイン演習Iのデッサンにワクワクしました。(テーマ性のある作品をつくる)デザイン演習IIで、自分で集めた素材が作品づくりにぴったりきた時は嬉しかったですね。どちらかといえばデザインの授業に惹かれます。今は修了展に向けて個人制作に入っていますが、イメージしてデザインするという最初の段階でじつは戸惑っています。最初から自分でじっくり考えてものをつくるってむずかしい。考えを大事に温めきれていない自分に葛藤するし、先生に話を聞いていただきながら試行錯誤している状態です。

——今のお話を聞きながら「ライフ・デザイニング」という言葉を思い出しました。川島テキスタイルスクールの基礎を築いた木下猛理事長(故人)が「手織りを通じて生き方を創りあげる、つまりライフ・デザイニングを学ぶことができる、そんな学校にしていこうと考えました」と、創立時(1973年)の理念を語った記事が学校に残っています。ものづくりを通して自己を見つめる。その中で本当に好きなものや苦手なことに気づいたりして、新しい自分に出会っていく、と。

当時、私にこの学校を勧めてくださった先生(故人)は、川島テキスタイルスクールに行けるように家族と話をしましょうかとまで言ってくださったのですが、それは無理だと思い込んで断ったんです。ライフ・デザイニングという理念は知りませんでしたが、やっぱりこの学校を勧める先生の確信みたいなものがあったのかな、そのことも含めて先生は私に勧められたのかな、と振り返って思います。

——自らの意思で学びにきている今、新しく変わっていく過程にいるのでしょうか。
そうですね。私自身も枠を外して自然体になれたら。デイサービスに通い始めた母が最近言うんです。「案ずるより産むが易し」ねって。私もそうなれたらなと思います。あとは私がどういうふうに楽しくできるか、です。今取り組んでいる個人制作で、先生たちとのミーティングが毎回かなりインパクトがあります。自分がこうだと思っていても、別の方向からアドバイスをもらって、こんな表現ができるのか、こんな自分がいるのかと驚くことが多くて。作品づくりってすごいなって。

昨年、大病でしんどかった時期、花はこんなに美しいのかとはっとしたんです。自然の光や風や香りすべてが美しく、まるで初めてのように感じました。あの時の感覚を忘れたくない。でも日々の生活の中で忘れちゃうんです。あの感覚を織り込んで作品が作れたら、見てくれる人に届けることができたら素晴らしいだろうなと思います。

この学校にいる間に、一つでも自分が納得できる作品がつくりたいです。

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*柳原さんが在籍する専門コースの学生たちは今、3月の修了展に向けて作品制作に励んでいます。川島テキスタイルスクールでは専門コースの1年目から作品を出展することができ、今年の本科生の作品は、グループ制作の綴織タペストリーをはじめ、個人制作では音を絣で、心象風景を綴織で、人生に見立てた花を縫取り織りでそれぞれ表したタペストリーや、空間に浮かぶ織物、犬のためのラグ、緯糸を手紡ぎしたブランケット、とバラエティに富んだ作品が揃います。

2024年度川島テキスタイルスクール修了展
会期:2025年3月5日(水)- 3月9日(日)
会場:京都市美術館別館1階
時間:10:00-17:00 入場無料

*2025年度専門コース本科技術研修コースの入学願書の三次締切は3月6日です。コースに関する説明、学校見学は随時受け付けています。ホームページからお問い合わせください。

2024年度川島テキスタイルスクール修了展

会期:2025年3月5日(水)- 3月9日(日)
会場:京都市美術館別館 1階
時間:10:00-17:00 入場無料


 2024年度川島テキスタイルスクール修了展を開催します。織りの確かな技術力のもと、今年も個々のセンスが光るバラエティに富んだ作品が見られます。
 タペストリーやインテリアファブリックなど、専門コース1年から3年の学生、技術研修コース、絣を学んだ留学生による個人制作を中心に、課題制作を含めた約80点を展示予定です。
 タペストリーと一口に言っても、グループ制作の綴織タペストリーをはじめ、個人制作では音を絣で、心象風景を綴織で、人生に見立てた花を縫取り織りで表したもの、絣とダマスク織りを融合させたもの、情報社会をリボンと靴をモチーフに綴織で表現したものなど多彩に広がります。
 インテリアファブリックも、空間に浮かぶ織物、犬のためのラグ、緯糸を手紡ぎしたブランケット、天然の色合いを生かした絣のパネル、カップから言葉があふれる織物、遊び心のあるラグなど独自色あふれる作品がたくさん。
 さらには、植物の生態系を守る活動とつなげて取り組んだ天然染色の着物や、切り絵を綴織で表現して額装したアート作品も。
 留学生の絣作品は米粒や、和紙の糸、色彩の本、鞍馬山などそれそれが滞在中に出会ったものに影響を受けてできた作品が多く、絣を学ぶ留学生の目線で見た日本の印象が織物に反映されています。
 年齢も経歴も文化も異なる、多様な生き方をしている人たちが日本全国、海外から学びに来る川島テキスタイルスクール。様々なバックグラウンドを持つ学生たちによる修了展だからこそ、織物の作品世界がユニークに立ち上がります。ぜひご覧ください。


【3月1日追記】
ご来場の皆さまへ、ご観覧におけるお願いと注意事項
ご協力よろしくお願い致します。


本展における最新情報はこちらでお知らせいたします。

2025年度ワークショップ受付開始日とワークショップ専用アカウント開設のお知らせ

ノッティングでラグづくり」参考作品

2025年2月1日(土)9:00より、ホームページ内ワークショップページにて受付を開始します!。詳細はこちら
*開始前のお申し込みは受付できませんのでご了承ください。

皆様のお申し込みをお待ちしています。


また、このたび、川島テキスタイルスクールのワークショップ専用アカウントを開設しました!お知らせのほか、開催中のワークショップの様子もご紹介できたらと思います。フォロー、♡、シェア、ぜひよろしくお願いします。

メイン:@kawashimatextileschool
ワークショップ(NEW!)@kts_workshops

食事変更の期限変更について

現在、食事は事前予約制で運営していますが、利用変更受付の期限を2025年度より下記の通り変更致します。(食材ロス削減、業務効率化を図るため)


現在
・利用日の前日13:00まで

変更後(2025年度より)
・利用日の3日前営業日13:00まで
*変更連絡日当日を含む


キャンセル料について
キャンセル連絡日が
・3日前営業日13:00までの場合 ………………………………………… キャンセル料0%
・3日前営業日13:00以降、1~2日前営業日、当日の場合 …… キャンセル料100%

※営業日は月曜から金曜9:00-17:00とする。(土日祝は除く)
※1日ごとの適用となります。
※例えば、利用予定日が木・金で、火曜日の12:00にキャンセルの連絡があった場合、キャンセル料は木曜日が100%、金曜日が0%となる。

2025年1月20日

ワークショップ受講規約改訂のお知らせ

ワークショップ受講規約の一部を次のように改訂いたします。
なお、2025年1月16日改訂とし、2025年4月1日以降開催のワークショップより適用いたします。

改訂前(旧版)
第8条(遵守事項及び確認事項)

受講者は、本講座を受講するにあたり、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1)講座内における録音、録画を行わないこと。

(2)講座内における撮影は講師の許可を得ること。

(3)アトリエ内の制作過程物、又は特定の個人が識別できる撮影をする場合は本人の許可を得ること。

(4)ウェブサイト、その他媒体にて公開する場合は本人の許可を得ること。

(5)当社及び講師等の指示に従うこと及び他の受講者の迷惑になるような行為、言動等をしないこと。

(6)講座内容を理解する上で個人差があることを前提に、内容が理解できなかった、又は理解しづらい部分があったとしても、当社及び講師等に一切の責任を求めないこと。

(7)本講座の受講において知り得た内容につき、その完全性、有用性、正確性、将来の結果等について、当社及び講師等に一切の責任を求めないこと。

改訂後(新版)
第8条(遵守事項及び確認事項)

受講者は、本講座を受講するにあたり、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。

 (1) 当社及び講師等の指示に従うこと及び他の受講者の迷惑になるような行為、言動等をしないこと。

(2) 講座内容を理解する上で個人差があることを前提に、内容が理解できなかった、又は理解しづらい部分があったとしても、当社及び講師等に一切の責任を求めないこと。

(3) 本講座の受講において知り得た内容につき、その完全性、有用性、正確性、将来の結果等について、当社及び講師等に一切の責任を求めないこと。

(4) 講座内における撮影、録音、録画を原則、行わないこと。

 (5) 講座内における撮影が必要な場合は必ず担当講師の許可を得ること。

(6) 写真・動画の撮影および、SNSなどでの使用については、講座初日に配布されるガイドラインに従うこと。

2025年1月16日