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京展に入選しました 技術研修科 鳴戸美佳

今回初めて公募展「京展」に応募し、入選する事ができました。
この作品は在学最後の制作で、とても大変だった!という思いが強かったのですが、
仮仕立てをして形になってくるとやっぱり作ってよかったと愛着も出てきた作品です。

7月3日〜19日まで京都市美術館で展示されているので、
実物も見てもらえると嬉しいです。

作 品 名 「星彩」
使用経糸 SS21中4×3
使用緯糸 3匁真綿追撚り
技  法 経絣

織実習「布を織る」 本科 仁保文佳


4月20日から6月5日まで、私たちのグループは絵画をモチーフに、
約8mのストライプ柄の布を織る実習をしました。
自分たちでデザインした柄が布になるのが楽しみでしたが、
まだ基礎の実習を終えたばかりだったので、8mもの布を織れるのか不安でもありました。
織り始めるまでにも、染色したり、整経、経巻き、綜絖通しなどの準備が沢山あり、
その度に1200本の経糸と戦いました。
油断すると、糸が絡まったり、綜絖の順番が違っていたりと、
元に戻るまでに大幅な時間と労力をかけなくてはならなかったので、
集中して作業することが大切だと毎日痛感していました。
私は緯糸が絡まってしまい、それをほどくのに時間がかかって泣きそうでした。

試織をして緯糸を染める色を決めます。


色んな壁を越え、ようやく織り始め。
細い糸たちが布になっていくのを見ると、やる気がでてきましたが、
1日目は10cm程度しか織れなかったので、織り上がるのか本当に不安でした。
2日目、3日目と続けていると、打ち込む強さやシャトルの動かし方のコツがつかめてきて、
今までになかった光沢感のある布になり、楽しみながら織ることができました。

織り上がった布と、作った風呂敷を学校のエントランスに飾ったときは、
達成感でにやにやが止まりませんでした。
それと同時に、課題も沢山発見できて、最初から最後まで綺麗な布を織るには、
ひとつひとつ焦らず丁寧に仕事をしないといけないなと実感しました。
グループみんなで、はげましながら実習ができたので、とても楽しかったです。

■織物設計■
使用糸 C40/2ガス、SS21/5×2
経密度 30本/cm
経糸本数 1200本
織幅 40cm
整経長 9.5m

染司よしおか工房見学 創作科 針谷ふみ恵


吉岡幸雄さんの工房へ見学に行きました。

この日は東大寺二月堂の「お水取り」で観音様に捧げるための椿の和紙を
紅花の「紅」で染める工程を見せて頂きました。

紅花には赤い色素と黄色の色素があり、まずは黄色の色素を洗い流していきます。
地下100mから汲み上げた地下水(お酒作りにも使われるとてもきれいな水だそうです)
に一晩浸け置いた紅花を真水で洗い、水を絞り出します。
洗い、絞りを何度も繰り返して水が黄色くなくなるまで続けます。

今年で2年目の河岸さん。お母様は川島テキスタイルスクールの修了生だそうです!

黄色の色素を洗い流したら、ワラの灰汁で紅花を揉んでいきます。
(紅花の赤はアルカリ性の溶液に溶け出す性質を持っているそうです。)
30分1セットを何回も繰り返すうちにどんどん赤い色素が出てきます。

実際にさせて頂きました

紅花を揉み終わったら金網で濾します。
濾した赤い液体から更に濃い色素を取り出すためにゾク(麻布)を液に入れ
20分ほどかきまぜ、布の中までしっかりと染液をしみこませます。


その布を真水で洗い、絞り、少量の灰汁に浸けると
ピンクだった布から赤い色素が抜けて紫がかった色に!
それを何度も繰り返して濃い赤の染液をつくります。


赤を更に鮮やかに発色させるために烏梅(梅の実を薫製にしたものを水に浸けたもの。
クエン酸を多く含みます。)を加えます。
烏梅を加えることで化学反応をおこして、沈殿物ができます。
それを何日か置いておき、布で濾すと、そこにのこっているのが「紅」です。

沈殿物が見えますか?

たくさんの工程を経てできあがった「紅」ですが、
1日分(2キロ)の紅花で染められる量はたったの和紙2枚分というのだから驚きました。

そんな紅を用いて、ひと刷毛ひと刷毛丁寧に染めては乾かし、
乾かしては染めてを繰り返した和紙の色は、鮮やかで本当に美しい赤色でした。

染師・福田伝士さん


吉岡さんは1200年前の職人たちとそっくり同じ方法での染色に
こだわっていらっしゃいました。
過去の文献などをもとに、失敗もしながら、
その失敗をきちんと糧にして過去の伝統色を甦らせたことを思うと、
手間や時間をかけることの大切さを改めて実感させられました。
私自身、現在制作中のきものを植物染料で染めているので、
丁寧にこだわってこれからの作業を進めていきたいです。

2012 Miniartextil Como 専攻科 佐藤淳


今回、イタリアのコモで開催されている「2012 Miniartextil Como」に入選したので、展覧会を見に行ってきました。

会場はイタリア・ミラノの北部のコモという町にある「ヴィラ・オルモ」という18世紀末に建てられた貴族の邸宅で、そこの館の一階の各部屋を使っての展示でした。

今回は初めての応募、それも海外への応募だったので、入選が決まった後に作品を送ったときには壊れずに届くのだろうかと心配しましたが、ディスプレイされている自分の作品を見たときには、自分の作品とは思えないほど変わっていて、ディスプレイの重要性と、コンセプトや作品のサイズの重要性を再認識できました。

また自分自身、今回の展覧会の規模や格式などがあまり分かってなかったので実際に会場に行って見てみて、レベルの高さに驚いてしまいました。今回の展覧会には自分のほかにも何人かの日本人の方たちも入選され、その中のお一人は大賞を取っており、非常に刺激になる作品でした。

今回はイタリアに6日間の滞在予定でそのうちの1日をコモへ展覧会を見に行き、残りの5日間はミラノの観光バス(日本の鳩バスみたいなもの)を使ってミラノ市内を観光しました。「最後の晩餐」のある教会や、町の中心部にある大聖堂等の歴史のある建物が非常に多く、教会の装飾などが興味深かったです。

インターンシップ(後編) 専攻科 小林七海子


イメージボード

<<前編(1週目)

二週目は工場での研修と、制作したイメージボードを元に織物デザイン・設計を行いました。工場で今まで見てきた作業が具体的にどのような役割があるのか、機械がどのように動いているかを間近で学ぶことができました。ワインダーの工程では紡績の機械で意匠糸を作って頂き、テンションのかけ方を少し変えるだけで全く異なる表情になる様子はとても興味深いものでした。完成度の高い商品を作るために、すべての工程で人の手や経験が欠かせないのだと感じました。

織物作成実習ではジャカード機を使用して実際に自分が企画した布を織らせて頂きました。糸や組織を選ぶ作業はわからないことが多く、社員の方に頼らなければいけませんでした。織り出してからも、硬い組織があって機械がうまく動かないなど問題もあり、机上では理解できない難しさを感じました。

最終日の講評には今までの研修で指導していただいた社員の方々にプレゼンを行いました。組織や糸の入れ方、織物として魅力的に見えるデザインなど具体的な指導をして頂きました。プレゼンは商品を引き立たせる重要な部分なので、もっと魅せる工夫を考えた方が良いと言われました。単にものを作るだけでなく商品として売り出すことを常に考えていけないのだと改めて理解できたように思います。

とても充実した経験が出来た二週間でした。現場の社員さんたちからは普段聞けないような仕事や機械のお話など、学校では触れられないようなことを学べました。この経験を忘れずに、魅せるものづくりをするための制作や勉強をしていきたいと思います。

インターンシップ(前編) 専攻科 山本李江

イメージボード

5月28日〜6月8日までの2週間、川島織物セルコンでインターンシッププログラムを受けました。自分が企画デザインし、織物設計したものを工場で織ってもらいました。そのテキスタイルを最終日にプレゼンテーションしました。

1週目は各専門の社員の方々からインテリアや機能・加工技術、織物、編物についての講義を受けました。これらはインテリアテキスタイルを企画する上で大切な知識です。また、イメージボードを作成しました。イメージボードは、空間やそれに付随する小物、デザインイメージ写真などを1枚の紙にまとめたものです。これは、その企画に関わる人の考えを統一化し、目標を定めるために欠かせないアイテムです。イメージ通りの写真を選び出し、1枚の紙にわかるやすく貼ることは予想以上に難しい作業でした。

学校での制作とは違い、会社ではブランドや販売価格によって使用できる素材や技術などの制限があります。また、守らなければならないルールもあります。その制限内で、お客様が「欲しい」「買いたい」と思える製品を企画提案していくことが大切なのだと学びました。

インターンを終えて、テキスタイルの知識だけでなく、経験を積まないと魅力的な製品は作れないのだと気づきました。これからは様々な素材や技法にチャレンジすることを目標に制作に取り組んでいきたいと思います。

>>後編(2週目)へ続きます

5月14日 専攻科フックド ラグ見学  ディレクター 野田凉美  


フックドラグは、枠にしっかりと基布を張り、模様に合わせてフックガンで糸を刺して制作していきます。以前、スクールに隣接する川島織物セルコンの工場でも、電動フックガンを使いラグを作っていたのを見た事がありますが、今回は、コンピューター制御のジュ−タン自動織機を設計製造されている日本省力機械へ伺い、その工程や機構を見学させて頂きました。
写真原稿を37色のグラデーションに分解し、毛足の長さの調整やフックガンの無駄ない動線などを全てコンピューターにより設計します。シャーリング(表面のカット仕上げ)までの工程は、見ていてとても楽しいものでした。また、電動フックガンの体験をしましたが、手動のフックとは重さも早さも全く違い、なかなかコントロールするのが難しいものでした。


資料やサンプルを準備して下さった上、社員の方ばかりか辰村社長自らご説明いただき有難うございました。