2022年度ワークショップパンフレットが完成しました!

表紙は新しい講座「暮らしの織り」です

2022年2月1日(火) 9:00よりホームページ内ワークショップページにてスケジュールの公開・申し込み受付を開始いたします!開始前のお申し込みは受付できませんのでご了承ください。

川島テキスタイルスクールでは年間を通して、初心者の方から経験者の方を対象とした織物と糸染めのワークショップを開催しています。早速4月開講(3月申込締切)のワークショップもあります。

なお、ワークショップ受講規約の一部を改定しました。お申し込みの際は同意が必要となりますので、必ずご確認ください。

皆様のお申し込みをお待ちしています。

京都の絹織物の一大産地へ 丹後テキスタイル研修

京都府の北にある丹後地方は、「丹後ちりめん」の産地として知られている地域。専門コースでは産地研修として、与謝野町にある3つの織元の、ものづくりの現場を訪ねました。

今回の行き先に丹後を選んだのは「京都の織物産地を知る」のが一つ。京都といえば西陣織ですが、日本の着物の白生地の約7割は丹後地方でつくられていて、そこは絹織物の一大産地です。二つめは、伝統を生かしながら特色のあるものづくりをしている人たちの仕事を見ること。時代や生活スタイルの変化とともに着物の市場が減り、丹後でも生産が落ち込むなかで、世代交代をして家業を継いで事業に励んでいる方々は、どんな視点を持って、どんな姿勢で経営されているのでしょうか。

服地やインテリアの多種多様な生地開発を手がけ、海外にも販路を広げる宮眞株式会社、ネクタイなど紳士向けの服飾雑貨を中心に、全て手織りで自社ブランドを展開するクスカ株式会社、高級絹織物の伝統を受け継ぎながら独自の製品を生み出し、一貫生産を行う株式会社ワタマサ。300年の歴史のある丹後ちりめんを基盤にした三者三様のあり方を見て、織りを学んでいる学生一人ひとりが将来を考える上でも、我がこととして織物の可能性を見つめる貴重な機会となりました。

◆  「新しい素材を追求し、見たことがない生地をつくる」宮眞株式会社

初めに訪れたのは宮眞株式会社。洋装の服地やインテリアの壁紙などを主軸に、オリジナルの生地の開発を数多く手がけている会社です。工場では、高密度で打ちこめるシャトル織機や、幅が広い生地も織れる電子ジャガード織機、撚糸機などを見学。糸も生地も様々なバリエーションに対応できる設備を見学した上で、続いて生地サンプルを見せてもらいました。驚いたのは、その種類の膨大さ。それは先代の蓄積に加え、受注生産をベースに顧客の要望に応えて、また海外向けの製品開発を行うなどの、たゆまぬ開拓の賜物です。

素材は絹の他にも、羊毛や綿、竹やポリエステル、それに混紡糸などがあり、学生たちは「同じちりめんとは思えないほど全て質感が違う」「柄や技法とのかけあわせで、更に種類が多くなるのか」と、興味津々に生地に触れ、細部に目を凝らします。「糸種を予想し、織り方を読み取って、実際の答えを教えてもらう。その時間がすごく勉強になりました」という感想も。生地のデザインや設計は、4代目の宮崎輝彦さんが一人で行っているそうで、先代の職人たちがつくったサンプルが教科書になるといいます。「常に新しい素材を追求し、素材の組み合わせで新しいものをつくる。見たことがない生地をつくるのが楽しいです」と宮崎さんは穏やかに話します。また、丹後ちりめんのような「特長のある織物がしたい」と東京や他の産地から来る若者もいて、若手職人の養成にも取り組んでいるそうです。

◆「手織りの価値を商品で提案・販売する」クスカ株式会社

次の見学先はクスカ株式会社です。自社ブランドKUSKAを2010年に立ち上げて、ネクタイやストールなどの服飾雑貨をはじめ、現代のライフスタイルに適した商品をつくって販売している会社です。廃業寸前の状況から、自ら「第二創業」と呼ぶほどの変革をし、手織りによる生産に一本化したのは現在の代表であり3代目の楠泰彦さんから。工房では自社製作の手織り機や、実際に織っているところを見学し、商品を見せてもらいました。とりわけ学生たちが魅了されたのが、開発中のレザー織り。経糸も緯糸も両方、本皮を使った手織りで、皮を糸状に切るところから人の手で行うそうです。学生は「レザーが織物となる新しい形を見て、織物の可能性を感じた」と感銘を受けていました。

「手仕事や手織りに価値を置いて、販売するのが僕らの仕事」と楠さん。じつは楠さんのお母様は、川島テキスタイルスクールの修了生。「母も手織りが好きだったので」。KUSKAが手織りに注力しているのは、楠さんが子どもの頃に見ていた、そんなお母様の姿も影響しているそうです。それに大量生産・大量消費の時代が過ぎて、手織りが「うまく今の市場にマッチした」と。価格との兼ね合いで「ビジネスにするのは難しいです」と話すも、「それでも手織りでやる意味はあると思うので、その価値を商品でしっかりと提案していく」と雄弁に語る楠さん。そんな会社のありように触れ、洗練された商品を手に取った学生たちは、大いに刺激を受けていました。

◆「一貫生産で品質にこだわり、絹の素晴らしさを伝える」株式会社ワタマサ

最後に訪問したのは、株式会社ワタマサ。4代目の渡邉正輝さんが着物姿で迎えてくださいました。手がけているのは、着尺や振袖、帯、地袢、帯揚げや衿などの絹製品。丹後ちりめんの成り立ちや仕組みの説明を受けた後、工場を案内してもらいながら、繭からの製糸、撚糸や整経、製織、精錬と実際に工程をたどっていきました。古くからの日本家屋の中に、重厚な設備が整い、たくさんの糸が干され、撚り合わされている光景は味わい深いものでした。大抵は分業制の準備工程を、ここでは自社工場で一貫して担っているのが特長。それで品質を保つことができ、撚りの異なる糸を使い分けたりして独自性の高いものづくりができると言います。

高級な着物のほかにも、近年は正絹でも洗えるお召しや半襟を販売し、女性用の兵児帯の開発も。「絹織物はフォーマル一辺倒になりがちですが、絹のハードルを下げる試みをしています」と渡邉さん。それは時代に沿った形で、絹の素晴らしさを伝えるためであり、着物文化を守っていくための、いわば攻めの姿勢にも思えました。学生の一人は、渡邉さんから聞いた「機械織には機械織の良い面がある。手織りには手織りの良さがある。どちらが優れているというものではなく、それぞれ適した使い方がある」という言葉が印象に残ったと言います。伝統産業の多様なあり方を目の当たりにして、「今後ものづくりをしていく上での基本姿勢に気づかされた」と。

◆今が最後の転換期かもしれない

すべての見学を終えて、「丹後ちりめんと一括りにするのは幅が広すぎると学んだ」という学生の感想も。多種多様な織物があるのが丹後。現地に足を運ぶことで、そんな産地としての総合力を知ることができました。

着物の需要の低下に伴い、丹後でも多くが店を畳んできた厳しい現状のなか、クスカの楠さんいわく、それでも「丹後全域で約700軒の機屋さんがあって、2千人ぐらいの職人さんがいる」とのこと。ただ平均年齢が65歳ぐらいで、自分の代で終わらせようという方がほとんどだそう。「最後の転換期かもしれないです。今変わらないと。宮眞さんも、ワタマサさんもそうですが我々、次世代で継いでいる人は、一回外に出て社会人を経験して、戻ってきて家業を継いでいる。今までの商いとは違うやり方で取り組んでいるのが現状です。そこがぐっと盛り上がってくれば、産地としての強みや独自性が出てくると思います」と先を見据えます。

丹後ちりめんという共通の土台のもとでそれぞれの持ち味を出し、横のつながりを持って地域全体の活性につなげていく。そんな産地の、次世代の頼もしさに出会い、学生たちは織りの視野を広げることができました。いろんなありようを見たうえで、自分は何を選ぶか? 「やっぱり私は手織りが好き。手織りにしかできないことを見つけて、形にしていきたい」。学生からはそんな声もありました。

宮眞株式会社
website: http://www.tango-miyashin.com
instagram: @miyashin2020
facebook: 宮眞株式会社

クスカ株式会社
website: https://www.kuska.jp(会社)、https://thetango.kyoto(自社で運営する丹後の魅力を伝えるメディア)
instagram: @kuska1936
facebook: kuska.1936

株式会社ワタマサ
website: http://www.watamasa.jp
instagram: @watamasa04
facebook: 株式会社ワタマサ

2021年度川島テキスタイルスクール修了展

会期:2022年3月9日(水)-13日(日)
会場:京都市美術館別館 1階
時間:10:00-17:00 入場無料

 2021年度川島テキスタイルスクールの学生による修了作品を展示します。見どころはテキスタイルの多彩さ。タペストリーやラグ、ファッション(服地)、着物、帯、インテリアファブリックなど幅広くご覧いただけます。
 専門コース本科生(1年次)の作品は、グループによる綴織タペストリーをはじめ、個人制作による絣のタペストリー、組織のラグ、ノッティングのラグなど。昨春に入学し、布がどのように作られるかを知るところから始め、様々な素材に触れ、デザイン力と技術を身につけて臨んだ制作。密度の高い実習を重ね、一年あればこれだけできるようになる、という成長の証が作品になります。
 専門コース専攻科生(2年次)の作品は、絣の着物、服地、インテリアファブリック。難しい素材や技法を試して表現の幅を広げ、企画からプロセスを大事に制作してきた二年目の着実な歩みが、作品に表れます。技術研修コースからは、絣の技法を使った帯。初めて帯の制作に挑戦した学生によるもので、作り手の人生にも重なるデザインの味わいがあります。今年度に新設したウィークリークラスからは、オリジナルデザインの日傘が登場します。
 織りに没頭し、自分と向き合って、試行錯誤を繰り返しながら制作に励んだ一年の集大成が、作品となって芽吹きます。織物の魅力あふれる作品の数々に、どうぞ会いにきてください。

※下記「本展における新型コロナウィルス感染拡大防止対策」をご確認の上ご来場ください。今後の状況によっては開催日時を変更する可能性があります。その際は速やかにスクールHPにてお知らせいたします。


本展における新型コロナウイルス感染拡大防止対策

新型コロナウイルスの感染予防・拡散防止のため、以下の対応で開催いたします。ご理解・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

【ご来場の際のお願い】

・館内ではマスクの着用が必要です。
・来館時にはサーモグラフィー等による体温チェックを実施します。体温が 37.5度以上ある場合は入館いただけません。(京都市実施)
・ご来場の際に、入館簿への氏名・住所・連絡先のご記入をお願いします。ご記入いただけない場合は入場をお断りいたします。(京都市より要請、新型コロナウイルス感染拡大防止対策)
・手洗い、手指消毒にご協力お願いします。
・以下の症状をお感じの方はご来館をお控えください。
 -風邪の症状がある
 -倦怠感(強いだるさ)がある
 -呼吸が困難である(息苦しい)
 -過去 2週間以内に感染が引き続き拡大している国・地域への訪問歴がある
・人と人との間隔の確保をお願いします。(2m目安)
・作品にはお手を触れないようお願いします。
・大きな声での会話はお控えください。

【対策】

スタッフの検温とマスク着用
・手指消毒の設置
・手すりやコインロッカー等の随時消毒
・混雑した際には入場規制をかける場合があります。

入館簿

事前に印刷・記入した入館簿を来館時にお持ちいただく事も可能です。点線で切り取ってお使いください。
入館簿ダウンロード

【最新】ワークショップ受講者の皆様へ 新型コロナウイルス感染拡大防止ご協力のお願い

 川島テキスタイルスクールをご利用いただき、誠にありがとうございます。

 受講者の皆様・学生・スタッフの安全健康を最優先に、当スクールでは感染防止対策として以下の[当スクールの感染防止対策] を行っております。皆様におかれましても、下記[受講者の皆様へお願い] にご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

[当スクールの感染防止対策] 

  • スクール利用者・スタッフ全員のマスク着用、毎朝の検温等体調確認
  • 消毒アルコールの各所設置
  • 教室・食堂などの換気の徹底(窓開放)
  • 使用備品の除菌作業
  • 食堂座席にアクリル板を設置
  • 食事前の手洗い・消毒の励行及び黙食のご協力お願い
  • 講師の体調不良時の講座の中止(途中終了)

[受講者の皆様へお願い] 

受講の前に
 ご本人(または同居ご家族)に、下記の症状が見られる場合は、受講をお控えください。

  • 発熱(37.5℃以上〈一つの目安、平常時の体温に比べて発熱が続く場合〉)、息苦しさ、強いだるさ(倦怠感)、咳、くしゃみ、喉の痛み、鼻水、味覚・臭覚異常などの症状がある方。
  • 新型コロナウイルス感染の可能性がある方と接触された覚えのある方。

受講期間中

  • マスクの常時着用をお願いいたします。 
  • 登校時および帰宅時に十分な手洗い消毒、うがいをお願いいたします。
  • 毎朝、講座開始前に検温と体調確認を行い、事務所にご報告をお願いします。(体温計を事務所前に設置しております。)
  • 大きな声での会話はご遠慮いただき、講座終了後は速やかなご帰宅をお願いいたします。
  • 下記のいずれかに該当する場合は、すぐにお知らせください。ご体調に不安のある方は、受講を辞退(途中辞退)していただく事がありますので、ご了承ください。

   ◦発熱(37.5℃以上〈一つの目安、平常時の体温に比べて発熱が続く場合〉)、
    咳、くしゃみ、喉の痛み、鼻水、味覚・臭覚異常などの症状がある場合(花粉症は除く)。
   ◦息苦しさや強いだるさ、高熱などの強い症状のいずれかがある場合。
   ◦高齢者など重症化しやすい人で発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合。
   ◦上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合。


関連情報はホームページにて随時お知らせしています。→情報まとめはこちら

何卒ご理解とご協力を賜りますよう、お願いいたします。

【重要】1月ワークショップ講座開催中止のお知らせ

2022年1月17日

新型コロナウィルスの全国的な感染拡大に伴い受講者皆様の安全第一を優先させて頂き1月開催の下記ワークショップについては中止させて頂きます。

—対象講座(1.14決定、受講者連絡済)—————————————
はじめての織り 10日間       2022年1月18日(火)-28日(金)
二部式帯で楽しむ「和の装い」   2022年1月21日(金)-22日(土)
——————————————————————————————

なお、今後スケジュール変更は決定次第お知らせさせて頂きます。
最新状況はホームページにてお知らせいたしますので、ご確認ください。→ワークショップ一覧ページ

参加者の皆様にはご迷惑をお掛け致しますが、何卒ご理解頂きます様お願い致します。

糸見本販売開始

本日より糸見本の販売をはじめます!糸見本は各ケース限定100個のため、HPよりお早めにご注文ください。

糸ごとにカードに結びつけてあり、手触りなどの特徴がわかりやすくなりました。また、一枚ずつ広げて色合わせをすることができます。

・ウール染色糸(80色)
・綿染色糸(63色)
・綿、ウール、絹、麻、その他生地糸(60種)

各ケース1000円(税込)送料別途*
*通常の販売糸とは別発送になりますのでご注意ください。
配送・配送料についてはこちら

詳細はこちら
糸・糸見本のご注文は糸・機料品注文フォームからお願いいたします。
2022.1.13価格改定致しました。

月1〜2回、集中して学べる「ウィークエンドクラス 暮らしの織り」開講!

2022年4月「ウィークエンドクラス」を開講いたします。織りを始めたい方が、週末にかけて学べるクラスです。2022年度は月1〜2回、金・土曜、連日で集中して学べるスケジュールを用意しました。

織りの基礎から応用までスキルアップできるカリキュラムです。初めに手織りの工程や織り機の仕組み、織物知識の基本を学びます。織りの基本を学んだ後は、ガラ紡のタオル、シルクのストール、オリジナルデザインの日傘を作ります。作品を作ることを通して、ていねいな手仕事とセンスを学ぶことができます。

期間 2022年4月15日(金) 〜 2023年2月4日(土)
※授業は金・土曜に2日連続で実施。

回数 全27回
時間 10:00 〜 16:00
定員 5名 (先着順ではありません。申込締切後に選考を行います)
出願締切 2022年3月10日(金)
講師 仁保文佳

※ 27回全ての授業への出席が必須です。
※ ウィークエンドクラスはウェブ出願のみとなっています。

その他詳細はウィークエンドクラスのページでご確認下さい。

皆様のご応募をお待ちしています。