制作の先に:「長く大切にしていきたい」 綴織タペストリー「結」が社会福祉法人「友々苑」へ

専門コースでは例年、本科1年目に綴織タペストリーのグループ制作を行っています。このほど昨年度の学生が制作したタペストリーが、京都市内にある社会福祉法人「友々苑」へ納入されました。施設の方からは「利用者が興味を持って見ています」「場所が明るくなりました」と喜ばれています。

この作品は「人が集い、生活の中で縁を結ぶ」をコンセプトに、「結」と名づけた綴織タペストリー。制作した3人は「友々苑」の施設の理念を学び、担当者にヒアリングして施設の要望に沿う形でデザインし、約半年かけて仕上げました。

施設の方と話し合いながら進めていく中で、学生が施設に出向いて飾る場所を見たり、逆に施設の担当者がスクールの制作現場を見に来られたりもしました。そうして、ものづくりのワクワク感を施設の方と共有しながら、織りの効果を生かした躍動感のある作品に仕上がりました。

制作過程で学生たちは、それぞれの得意なところを生かし、苦手なところは補い合いながら進めたといいます。アイデアを出し合い、織りの作業量もローテーションでうまく回して「一人じゃないからできた」とグループワークの良さを実感した様子。学生の一人は、「私は自己表現よりも相手に喜ばれるものをつくるのが好きなんだな、と自分の向き・不向きを考えるきっかけになりました」と話しました。

作品が廊下に飾られると、事務長と担当者の方から「長く大切にしていきたいです」と伝えられ、言葉のプレゼントをいただいたような温かさが広がりました。