スウェーデン留学記2 創作科 沼澤瑠菜

専門コース3年目の創作科では、希望者は選考を受けた上で、提携校であるスウェーデンのテキスタイルの伝統校 Handarbetets Vänner Skola(HV Skola)へ3ヶ月の交換留学をすることができます。

8月から留学中の沼澤瑠菜さんから2回目の近況報告が届きました。沼澤さんは11月まで、ダマスク織りや刺繍などの授業に参加します。


9月は学校生活が忙しく充実してきた反面、日々の生活で疲れが出てきました。睡眠時間を増やしたり栄養を考えた食事を摂るように心がけて、疲れを溜め込まないようにしたいです。最近は日本米に似ているGrötrisという米を買って食べています。やはり、パンやパスタより米を食べる方が身体の調子が良いなと感じています。

ダマスク織りの授業では、2種類のサンプルと本番の織り、最後にプレゼンテーションがありました。ストックホルムの街を歩いていて印象的だった物をテーマに制作しました。経糸との素材の違いを出すために、緯糸には普通の綿と、バンブーが配合された綿(少し光沢がある糸)を使いました。緯糸を買いに行ったお店はクラスメイトに教えてもらった本屋です。ストックホルムでは編み物をする人が多いからなのか、糸屋以外に本屋や雑貨店で編み物用の糸や道具を見かけることが多いです。

織りの週の合間に、自分のポートフォリオを皆に紹介する時間がありました。作品について英語で説明するのは難しかったのですが、クラスメイトと先生が良い反応をしてくれたり、興味を持って質問してくれて嬉しかったです。

ダマスクが終わった後は染色とデザインの授業を受けました。染色の授業では、自分で決めた3色の分量を変えて混色してつくった10色を使って染色をしました。私はリネン+綿の布を染めました。染色室で使う道具や染料がスクールと違い、興味深かったです。コンロはガスではなく電気、染める方法は反応性染料で助剤は塩とソーダを使いました。乾燥機は冷蔵庫のような見た目の回らないタイプで、糸がすぐに乾いて便利でした。

9月末から刺繍の授業が始まりました。カタリーナ先生に刺繍をした経験があまりないことを事前に伝えると、基礎から始めましょうということになりました。デザインの時間に描いた抽象画と虫の絵のどちらかを選び、それを最大15cmの大きさに、10個程の技法を使って様々な素材の黒糸のみで刺繍するという課題です。私はいくつか描いた抽象画をコラージュして刺繍をしました。平らな布に糸を通すことで現れる凹凸が面白いです。