留学生

スクールをつづる:国際編2「織りとの関わりの多様性」

川島テキスタイルスクール(KTS)を紹介するシリーズの国際編をお届けします。スクールは開校当初から、世界中の手織りを学びたい人を受け入れています。2019年までの直近14年間だけでも、28カ国140人以上の留学生を受け入れてきました。第2回は、近年の国際化の流れについてです。

緯絣を括る

海外からの希望に対して、以前は期間や学びたいことに合わせて個々に対応していましたが、問い合わせの増加に伴い、2009年からは英語で教える「留学生コース」を設定しました。内容は、手織りの基本を身につける「ビギナーズ」と、「絣」の基礎・応用。絣の技法自体は、世界各地に地域色豊かで多様な絣がありますが、日本の絣を学びたいという海外からの需要に応えてのことです。それまでは英語の共通言語でikatと呼んでいましたが、コースを設定してからは日本独自の名称kasuriとして定着しました。

毎年春と秋に定期開催するようになると、受講者の口コミで評判が徐々に広まり、2013年頃から応募者が年々増え続けて毎回定員オーバーとなる状況が続いています。受講者は、初心者や趣味で続けている人から、大学・大学院生、作家やデザイナーなどテキスタイルを仕事にしている人まで幅広く、手織りという共通の目的で世界中から集う方々を通して、それぞれの人生において自分に合った織りとの関係があるとわかります。織物を世界目線で見つめると、個々のライフスタイルや、社会・文化的な背景が多様である分、関わり方の可能性がさまざまに見えてきて、選択肢が広がります。KTSの国際性は国や文化の違いだけではなく、織りとの関わりの多様性があること。それは、手織りに特化した学校だからこそ見えてくる世界です。

スクールをつづる:国際編1 「種をまき、静かに持続する」

スクールをつづる:国際編1「種をまき、静かに持続する」

川島テキスタイルスクール(KTS)を紹介するシリーズの国際編をお届けします。本シリーズでは、創設時から続く国際化の広がりや、担当講師インタビュー、留学生の声など、スクールの織りを通じた国際的な関わりについて紹介します。第1回は、国際化の背景についてです。


HVのアトリエで働いたのち(株)川島織物*研究開発部での勤務を経て、1978年当スクール講師になった礒邉晴美先生。HV SkolaとKTSの架け橋となり、交換留学制度が始まりました。写真は社内報に掲載された、先生によるスウェーデンについての記事。(1975年)

スクールの国際化は、設立の構想段階から視野にありました。美術系大学院のCranbook Academy of Art(米国)など欧米30カ所以上を視察し、織物を世界目線で見つめて独自の土台を作ってきました。開校してからは、基礎から高度な専門技術まで幅広く学べる内容と充実した設備で、海外でも類の少ないテキスタイル教育機関として注目されました。以降、世界中の染織作家や同好者に創作に打ち込む機会と場を作り、海外から講師を招いてレクチャーを行うなどして国際関係を繋いできました。テキスタイルの伝統校HV Skola(スウェーデン)との交換留学制度は、現在も続いています。近年は、海外向けに英語で授業を行う「留学生コース」と「海外ワークショップ」を定期開催。海外旅行グループ用に染色や綴織りなど希望に合わせた講座も行っています。

KTSは、洛北の里山にある手織りの学校。種をまき、じっくり育てるような静かな持続を実践するうちに国際的な知名度は高くなり、かつてここで学んだ方が自国でテキスタイルを教えてKTSのことを生徒に紹介し、今度はその方が学びに来るという世代をまたいだ繋がりも育まれています。手から手へ、人から人へ、まかれた種が着実に世界に広がっているのが、47年続いているスクールの国際面の特長です。

*現・株式会社川島織物セルコン

冬期休暇のおしらせ

Kasuri Bow Tie

昨年秋の留学生リニアさんから素敵な写真が届きました!
絣基礎の授業で織った生地の余りで蝶ネクタイを作ったそうです。
糸はタッサーシルクをティンギ(マングローブの一種)で染めたものです。

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誠に勝手ながら下記の期間におきまして冬期休暇とさせていただきます。

冬期休暇:12月21日(土)-1月13日(月)

期間中にいただきましたお問い合わせにつきましては、
2014年1月14日(火)以降に順次回答させていただきます。
ご不便をおかけ致しますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

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本年も大変お世話になりました。どうぞよいお正月をお迎えください。

EVERYTHING I KNOW ABOUT KASURI

rosakasuri

留学生のローサさんが、デンマーク人の視点から見た絣をテーマにしたワークショップをします。
来週土曜日です。ぜひご参加ください!

EVERYTHING I KNOW ABOUT KASURI
織りのワークショップ 2013年12月7日 2時-5時

織りのワークショップ、EVERYTHING I KNOW ABOUT KASURI はデンマーク人の視点から見た
日本の織技法、絣をテーマにしています。

EVERYTHING I KNOW ABOUT KASURIは日本での滞在経験から生まれました。
ここで体験した素晴らしい異文化の出会いの、テキスタイルを使った解釈です。

ワークショップでは私が作った枠機を使い、小さな絣の作品を作ります (15x22cm) 。
皆さんの作品はプロジェクトについての本とともに、2014年3月に開催される
川島テキスタイルスクール修了制作展(京都市美術館)で展示します。
ご希望の方には展示終了後に作品をお返しします。

織り経験は問いません。参加費は無料ですが、事前のお申し込みが必要です。
ワークショップは英語と日本語で行います。

ご連絡お待ちしています。お問い合わせ、お申し込み: rosa.tolnovclausen”at”gmail.com

3F Project Room
〒604-8101京都市中京区柳馬場御池下ル柳八幡町75-6TNCビル3F, KMFA
www.3-gai.com