2025年秋の留学生コース修了

 このほど秋の留学生コースが無事に終わりました。秋学期は絣の基礎と応用コースを開講し、イギリス、デンマーク、フランス、ノルウェー、インドからの6名を受け入れました。コース最終日、絣応用コースを修了した学生たちにインタビューした内容を紹介します。

 絣応用コースの学生のうち2名は、春学期にビギナーズコースと絣基礎コースを修了し、絣応用コースを受講するために戻ってきました。一人はノルウェーの芸術大学を卒業後、アートのリサーチを兼ねて日本に滞在する一環で入学。全コースをやり遂げた感想をこう話します。
「私はこれまで本格的な機で織ったことがなく、ビギナーズコースは基礎からしっかりと学ぶのにとてもよい機会でした。絣応用コースでは(自主制作を通して)学んだ技術を本格的に試せて、大きなスケールで作品を制作できたので、自分のポートフォリオとしてもよかったです。応用コースを受けたことでコース全体の価値がさらに高まったように感じ、まさにフルパッケージ。興味が刺激され、テキスタイルがもっと好きになりました。もし今後テキスタイルアートの分野に進むなら、大学院で織りを専攻するのもいいなと思い始めています。この学校でスウェーデン(の提携校)からの留学生が多いと聞いて、スウェーデンもいいなと思い始め、進路の可能性が大きく広がりました。そのきっかけは日本です」

 イギリスでテキスタイル・アーティストとして活躍している学生は、この秋に絣基礎から応用コースまでを通し受講しました。ずっと絣作品を制作してきてなお日本の絣を学んだ経験を、このように捉えます。
「日本の絣について、オンラインや本でたくさん学んできました。この学校に来て、長く実践している先生方から直接学べたのは本当に良かったです。基礎コースで一番チャレンジだったのは、機がけなど学校のやり方に慣れることでした。自分の方法をいったん手放して新しく試すのが、興味深いけど大変でもありました。でも技術レベルを上げたかったので、とても助けになりました。応用コースでは、それらを(自主制作を通して)実際に自分のスタイルで活かせたのが楽しく、挑戦でもありました。全体的に印象深かったのは、作業工程すべてにおける細部へのこだわりや丁寧さ。自分のこれからの制作でも、一つひとつの工程に細やかな意識を持って取り組みます」

 フランスで衣裳制作の仕事をしている学生は、仕事の休みをとって春にビギナーズと絣基礎コースを受講しました。「今年は学びの年。全部やりきろう」と志して、秋に再来日して絣応用コースを受講。スクールの環境について、こんなコメントをくれました。
「今年2回来て、だんだん第二の家のように感じました。(専門コースの)学生の皆さんがとても優しくて、言葉の制約があっても話すのがとても楽しかったです。機の多さにも驚きましたし、校舎も好きで、光が入って木々の移り変わりが見える環境を気に入っています。先生たちのサポートも本当にありがたかったです。応用コースは、本当に機を買うのかを確かめるためにも受けたかったのですが、今は買うつもりでいます。まだ初心者なので、機を買って何を作りたいか考えるのが楽しみ。またスクールに戻ってきたいです」


*現在、川島テキスタイルスクールでは2026年度の各コースの願書受付中です。春の留学生コース(英語)は2026年1月8日締切、専門コース本科技術研修コース(日本語)の三次締切は3月6日、マンスリーコースの締切は2月13日です。