Pick up

織実習「布を織る」 本科 大宮 恵

IMG_9668_520

4月に入学してから2ヶ月、3回目の織実習で、「絵画から読み取るストライプ」をデザインし、
幅40cm、長さ8mの布を織りました。白糸+色糸4色の計5色を使ったストライプです。
デザインに沿って自分の欲しい色を染色しました。
と、ここまでは、これからどんなことをして、どんなものが出来上がるのだろう??
とワクワクウキウキしながら準備をしていたのですが、
作業が進むにつれ、雲行きが怪しくなっていきました。

今回使用する糸は、とても細く、長いので、すぐに絡み、扱いづらく、
うまくいかないことが多くて、平常心を保つことがとても難しかったです。
織りの作業に入ってからも、きれいに織り進めることが出来なくて、
織っては戻りを繰り返し、進まないし、きれいでもないし、
どうしよう、とため息をつく時もありました。

それでも8mの長さを織っていると、問題点に対して色々と試すことが出来て、
発見につながることもあり、だんだんと調子よく織れるようになりました。

織り上げ後、学校玄関の吹き抜けの2階から布を垂らして飾ったところを見ると、
終わってほっとした気持ちと、またやりたい!という気持ちが湧き、
これからの私の課題である「ひとつひとつの工程を丁寧にする」ことを踏まえ、
いつかリベンジしたいと思っています。

IMG_9681布を織る大宮

本科9名の織った布を飾ったところです。
風呂敷を作り、ストライプの柄がうまく出せるように中身と包み方を工夫しました。

励まし合ったみんなで、出来上がりを一緒に喜んだ達成感は、忘れられないと思います。

はじめての織り10日間を受講して

はじめての織り10日間

わたしは以前アパレルに勤務しておりました。
在籍中から、出来上がった生地ではなくオリジナルの生地を作りたい、
糸や織りにこだわりたいと考えておりました。
この度、自分でブランドを立ち上げようと決意し、まず始めに織りが知りたいと思い、
はじめての織り10日間に参加いたしました。

糸繰りや整経や粗筬通しなど、小さな工程を重ねていきます。
初心者のわたしには言葉も作業の意味合いも分からないのですが、
一つ一つの必要性を先生が丁寧に教えて下さり、
実際に織りに入るまでの過程の大切さを知りました。
知った上で、すべての工程に心を込めて丁寧に糸や機に向かい、
やっと本織りに入れた時は感動しました。
初めて経糸の間に緯糸を通し、框を打った感覚の楽しさは忘れられません。
手を動かす度に、柄があらわれてくるととても嬉しく、
組織を、経糸と緯糸の関係により、見て学べたことは大きな収穫でした。
この講座では実技はもちろんのこと、糸の種類や、織物設計の知識など知りたかった座学も学べました。
また、個々の興味のあることや経験に応じて、
講師の方がお勧めの本や独学では知りえない深みのある知識を教えて下さいました。
こういった柔軟な対応と、基本の織りをしっかり学べた講座は、とても充実した内容でした。

今回の経験で、より一層、一枚の生地が仕上がることの尊さを感じられるようになりました。
これから生地を見るときには、糸や組織から見ていける楽しさもあります。
本当にたくさんの学びをありがとうございました。

次回のはじめての織り10日間は7月8日(火)からです。
ぜひご参加ください!

軽野裕子さん紙糸レクチャー

IMG_9468blog
5月26日、伝統的な製法で作られた日本の和紙(生紙)から糸を作り染織されている
軽野裕子さんに、生紙(日本の和紙)が出来るまでのスライドレクチャーと、
その生紙から糸を作るまでの工程を実演を通して見せていただきました。

IMG_9486blog2
本科生の他留学生4名も参加し、特に専攻科生は先日の授業で、5mm幅の紙糸制作から
紙布製織までを経験済みでしたので、軽野さんの2mm幅!!で切った紙から出来る
繊細でふっくらした糸の美しさに驚いていました。

紙糸blog3
尚、昨年出版された「生紙と紙糸」3,000円は、スクールで取り扱っています。
ギャラリー啓さんでも購入できますよ。

繊維教育賞を受賞しました

この度、公益財団法人衣笠繊維研究所より繊維教育賞の受賞を受けました。

公益財団法人衣笠繊維研究所は、京都市内の北野白梅町にあり、繊維学の研究、
教育及び普及を図る事により、繊維産業・社会文化に寄与貢献することを目的に
昭和25年11月に設立されました。

繊維教育賞とは、公益財団法人衣笠繊維研究所が、繊維学並びにその基礎科領域の
教材研究や教育について活発な実践活動を行っている個人や団体を表彰する制度です。

今回、川島テキスタイルスクールの永年の学校教育活動が評価され
「平成25年度繊維教育賞」受賞の栄誉を受けることができました。
この繊維教育賞は平成23年に創設されて以来、
川島テキスタイルスクールが初の受賞とのことです。

繊維教育賞blog

2013年度川島テキスタイルスクール修了展のおしらせ

2013年度修了展2013年度修了展裏

今年の修了展は3月5日(水)~9日(日)まで京都市美術館にて開催します。
本科(1年次)専攻科(2年次)創作科(3年次)技術研修科、留学生の作品を展示致します。
ぜひお越し下さい。

川島テキスタイルスクール修了展
2014年3月5日(水)-3月9日(日) 9:00-17:00
京都市美術館
入場無料

原毛から毛糸、そして布へ 本科 佐藤朋子

スピニング

私たち本科生は、10月から11月までの間「スピニング」「ホームスパン」
「ファンシーヤーン」の三つの授業を受けました。
スピニングの授業は、染織室の外で刈りたての汚れた羊の毛を洗うところから始まりました。

洗った原毛をほぐしてカードをかけて紡毛機で糸を紡ぎます。
上手に洗わないとほぐし難くなり、カードを上手にかけないと毛玉ができてしまいます。
紡ぎ方も、踏むスピードを加減しながら、送り込むスピードを手で調節するため、
足も手も忙しくコツを掴むまで時間がかかり集中力も必要です。

ホームスパン

一通り紡げるようになったら、次はマフラーを作るためのデザインを考え、分量を計算し、
3色に分けて白い原毛を染色します。染色した原毛をイメージの太さに紡ぎ、天秤式の機で織ります。
ホームスパンは糸に負担をかけないよう、整経する時や織る時に気を配らなくてはいけません。
織り上がったマフラーには縮絨をかけます。
縮絨をかけることで風合いが変わり、柔らかい手触りのマフラーが出来上がります。
 
ファンシーヤーンの授業では、「スラブヤーン」「ネップヤーン」「マールヤーン」など、
一台の紡毛機で色々な種類の糸が作れる事を学びました。
色の組み合わせや糸の太さなど自由に糸を作れると織る事が一層楽しくなり、
また糸がどのようにしてできているのかを理解する事で知識が深まりました。

ホームスパン2

冬期休暇のおしらせ

Kasuri Bow Tie

昨年秋の留学生リニアさんから素敵な写真が届きました!
絣基礎の授業で織った生地の余りで蝶ネクタイを作ったそうです。
糸はタッサーシルクをティンギ(マングローブの一種)で染めたものです。

………

誠に勝手ながら下記の期間におきまして冬期休暇とさせていただきます。

冬期休暇:12月21日(土)-1月13日(月)

期間中にいただきましたお問い合わせにつきましては、
2014年1月14日(火)以降に順次回答させていただきます。
ご不便をおかけ致しますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

………

本年も大変お世話になりました。どうぞよいお正月をお迎えください。