スピニング -羊毛を紡いで- 本科 鍋田晃子

スピニングの授業では、羊の毛を洗い、糸を紡ぐことを学びました。

汚毛2

写真は、羊から刈り取られたままの状態の毛です。
汚毛と言います。とっても動物の感じが伝わってくるもので、
この大量の汚毛を初めて見たときはびっくりしたのと同時に
これで作るのだと思うとワクワクしました。
まず、汚毛を洗うことからはじめました。
洗毛は毛質や汚れの程度で洗う方法を調整して少しずつ丁寧に
フェルトの様に固まらないように気をつけて洗っていきました。

原毛2

出来上がった羊毛(原毛)を見て感動!真っ白でふわふわの原毛が出来上がりました。
さらに、ここから糸を紡ぎやすい様にいくつかの行程を経て原毛を整えていきます。

そして初めての糸紡ぎ、ウキウキしながらはじめたものの見るのとするのじゃ大違い。
細く均一に作ろうと思うほどに難しく、なんだかいびつなものがどんどん紡がれていきました。
しかし、先生の手や足の使い方をじっと見て、何度も回数を重ねていくうちにだんだんと
なんとか出来るようになりました。紡毛機で糸を紡いでいるときの
カタカタコトコトという音が心地よく教室中に広がっていました。

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次はこの原毛を使い、冬にマフラーを織る予定です。どんなものが出来上がるのか次回の授業も楽しみです!!

美山のちいさな藍美術館を訪ねて 本科 金子かおる

6月12日、藍染め作家の新道弘之さんの工房を訪ね、京都府南丹市美山町に行きました。

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美山に向かうバスの中で見た映画『ブルーアルケミィ ―藍の物語―』*はとても興味深く、
特にインドでのプールの中で藍の染料を出す作業が印象に残りました。
緑色の液体が徐々に藍色になっていく様子には驚きました。

初めての美山。だんだん山奥に向かうにつれて期待感が高まります。
バスを降りると日本昔話の世界が広がっていました。
茅葺き屋根の景色もさることながら、空気がとても澄んでいてとても清々しい気分になりました。
小さな藍美術館まで景色を楽しみながら向かいました。
新道さんの工房は茅葺きの家の中でも大きいそうで、独特のゆったりとした空気が流れていました。

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2階の美術館は新聞の記事で見たよりも広く、全面に大きな布が広がっていて圧巻でした。
今回は日本の藍染めの展示は無く、ヨーロッパの藍染めの展示でした。
ヨーロッパの染色に藍染めがあった事にとても驚きました。
ヨーロッパでは藍染めを「インディゴ」ではなく「ブループリント」と呼んでいて、その響きが可愛く感じました。

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インドから伝わった木版染めも模様はアジア風のものは少なく、
ヨーロッパらしい麦の穂のモチーフがデザインされているものや花柄など、
現代のプリントデザインとしてスカート等に使えそうなものが多く、見ていて楽しかったです。
布に添えられていた写真が当時使われていた様子をイメージし易くとても参考になりました。

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午後からは工房で絞り染めのお話や、藍染めの実演をしていただきました。
実際に絞った布を藍甕に浸け、取り出した布が酸化し深緑から藍色に変わっていく様子を初めて見て感動しました。
その後に拝見したドキュメンタリービデオは他の作家の方の作品も見る事が出来、
いろんなアプローチの仕方を学ぶ事が出来ました。

*『Blue Alchemy -Stories of Indigo-/ブルーアルケミィ ―藍の物語―』 アメリカのドキュメンタリー監督、Mary Lanceさんが世界各地の藍の現場を訪ね、7年の歳月をかけて制作したドキュメンタリーです。新道さんのインタビューや工房の様子をはじめ、世界の藍製造の貴重な映像をみることができます。

ちいさな藍美術館10周年記念企画展「西方の藍染」の会期が7月30日(水)まで延長されることになりました。

織実習「布を織る」 本科 大宮 恵

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4月に入学してから2ヶ月、3回目の織実習で、「絵画から読み取るストライプ」をデザインし、
幅40cm、長さ8mの布を織りました。白糸+色糸4色の計5色を使ったストライプです。
デザインに沿って自分の欲しい色を染色しました。
と、ここまでは、これからどんなことをして、どんなものが出来上がるのだろう??
とワクワクウキウキしながら準備をしていたのですが、
作業が進むにつれ、雲行きが怪しくなっていきました。

今回使用する糸は、とても細く、長いので、すぐに絡み、扱いづらく、
うまくいかないことが多くて、平常心を保つことがとても難しかったです。
織りの作業に入ってからも、きれいに織り進めることが出来なくて、
織っては戻りを繰り返し、進まないし、きれいでもないし、
どうしよう、とため息をつく時もありました。

それでも8mの長さを織っていると、問題点に対して色々と試すことが出来て、
発見につながることもあり、だんだんと調子よく織れるようになりました。

織り上げ後、学校玄関の吹き抜けの2階から布を垂らして飾ったところを見ると、
終わってほっとした気持ちと、またやりたい!という気持ちが湧き、
これからの私の課題である「ひとつひとつの工程を丁寧にする」ことを踏まえ、
いつかリベンジしたいと思っています。

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本科9名の織った布を飾ったところです。
風呂敷を作り、ストライプの柄がうまく出せるように中身と包み方を工夫しました。

励まし合ったみんなで、出来上がりを一緒に喜んだ達成感は、忘れられないと思います。

はじめての織り10日間を受講して

はじめての織り10日間

わたしは以前アパレルに勤務しておりました。
在籍中から、出来上がった生地ではなくオリジナルの生地を作りたい、
糸や織りにこだわりたいと考えておりました。
この度、自分でブランドを立ち上げようと決意し、まず始めに織りが知りたいと思い、
はじめての織り10日間に参加いたしました。

糸繰りや整経や粗筬通しなど、小さな工程を重ねていきます。
初心者のわたしには言葉も作業の意味合いも分からないのですが、
一つ一つの必要性を先生が丁寧に教えて下さり、
実際に織りに入るまでの過程の大切さを知りました。
知った上で、すべての工程に心を込めて丁寧に糸や機に向かい、
やっと本織りに入れた時は感動しました。
初めて経糸の間に緯糸を通し、框を打った感覚の楽しさは忘れられません。
手を動かす度に、柄があらわれてくるととても嬉しく、
組織を、経糸と緯糸の関係により、見て学べたことは大きな収穫でした。
この講座では実技はもちろんのこと、糸の種類や、織物設計の知識など知りたかった座学も学べました。
また、個々の興味のあることや経験に応じて、
講師の方がお勧めの本や独学では知りえない深みのある知識を教えて下さいました。
こういった柔軟な対応と、基本の織りをしっかり学べた講座は、とても充実した内容でした。

今回の経験で、より一層、一枚の生地が仕上がることの尊さを感じられるようになりました。
これから生地を見るときには、糸や組織から見ていける楽しさもあります。
本当にたくさんの学びをありがとうございました。

次回のはじめての織り10日間は7月8日(火)からです。
ぜひご参加ください!

軽野裕子さん紙糸レクチャー

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5月26日、伝統的な製法で作られた日本の和紙(生紙)から糸を作り染織されている
軽野裕子さんに、生紙(日本の和紙)が出来るまでのスライドレクチャーと、
その生紙から糸を作るまでの工程を実演を通して見せていただきました。

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本科生の他留学生4名も参加し、特に専攻科生は先日の授業で、5mm幅の紙糸制作から
紙布製織までを経験済みでしたので、軽野さんの2mm幅!!で切った紙から出来る
繊細でふっくらした糸の美しさに驚いていました。

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尚、昨年出版された「生紙と紙糸」3,000円は、スクールで取り扱っています。
ギャラリー啓さんでも購入できますよ。

繊維教育賞を受賞しました

この度、公益財団法人衣笠繊維研究所より繊維教育賞の受賞を受けました。

公益財団法人衣笠繊維研究所は、京都市内の北野白梅町にあり、繊維学の研究、
教育及び普及を図る事により、繊維産業・社会文化に寄与貢献することを目的に
昭和25年11月に設立されました。

繊維教育賞とは、公益財団法人衣笠繊維研究所が、繊維学並びにその基礎科領域の
教材研究や教育について活発な実践活動を行っている個人や団体を表彰する制度です。

今回、川島テキスタイルスクールの永年の学校教育活動が評価され
「平成25年度繊維教育賞」受賞の栄誉を受けることができました。
この繊維教育賞は平成23年に創設されて以来、
川島テキスタイルスクールが初の受賞とのことです。

繊維教育賞blog

2013年度川島テキスタイルスクール修了展のおしらせ

2013年度修了展2013年度修了展裏

今年の修了展は3月5日(水)~9日(日)まで京都市美術館にて開催します。
本科(1年次)専攻科(2年次)創作科(3年次)技術研修科、留学生の作品を展示致します。
ぜひお越し下さい。

川島テキスタイルスクール修了展
2014年3月5日(水)-3月9日(日) 9:00-17:00
京都市美術館
入場無料