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在校生の声(専門コース本科) 3

2020年4月に専門コース本科に入学した方々の声を紹介します。 そのうち3名に入学の動機や、織りとの向き合い方、4カ月を経た実感などについて今の率直な想いを語ってもらいました。3回シリーズでお届けします。

「織りながら自分の好きを発見していく」木村華子

美術系の高校で染色を専攻。卒業後の進路で、次は織りを基礎から学びたいと希望した時に、先生に紹介されたのがこのスクールです。見学時、施設内に展示してある作品を見てこんなことができるのかと感動し、留学生が楽しそうに織っていて、皆で交流できるアットホームな雰囲気に魅かれました。

私は、伝統的な手仕事に興味があります。大工の父の影響なのか、ものづくりが大好きです。授業で8メートルの平織りをした時に達成感があって、コツをつかんできれいに織れるようになると、もっと織りたい意欲にかき立てられました。細い糸を使って、幅を整えながら一定の繰り返しで織る平織りが好き。実際に織る中で、自分の好きを発見しています。

実は入学前は、織りに対して苦手意識がありました。高校の授業でも織りを経験したのですが、当時はわからないままに織っていたからです。今、綴織の授業を受けていて、疑問があるとすぐに先生に聞いて解決できます。様々な技法を細かく教わり、都度理解しながら進んでいけるので、今は織ることが楽しいです。織るたびに、自分の中から湧き上がる作りたい気持ちに気づく日々。できることが少しずつ増えているので、これからの制作が楽しみです。

スクールの窓から 2 「デザイン演習 I」

川島テキスタイルスクールの専門コースでは、様々な先生が教えています。専任講師をはじめ、外部からも作家や技術者などを講師に招き、風通しのいい環境を作っています。このコーナーでは、そんな専門コースの授業の一部をお届けします。今回は担当講師による紹介です。(不定期掲載)

5回目:デザイン

4月から5回にわたり、本科では「デザイン演習」の授業を行いました。授業ではデッサンをすることで果物や野菜などのモチーフとじっくり向き合い、5回目に織実習・綴の自由制作で織るタペストリーのデザインをしました。

普段の生活の中で、わかったつもりでいる物は意外と多くあります。果物や野菜もしっかり見る機会はあまりなく、食材として数秒間見て状態を確認するだけで終わりがちです。何時間もかけてじっくり見て、触れて、想像することで、新たな面を発見し、ものの見え方が変化する感覚を味わうことは制作において貴重な経験になると思います。そうした観察眼を磨くと、制作のインスピレーションをどこからでも拾えるようになり、モチーフとしっかり向き合った経験がデザインに表れます。なによりも、日常の中で見えるものが変わったりと、ワクワクすることが増えます。

綴のタペストリーのデザインではモチーフの面白いと思ったところからデザインをふくらませ、どういう場所に飾るかなどを想像してもらいました。6月には織実習で綴のサンプルを織り始めていたので、どういう糸や技法を使うかも考えてのデザインになりました。

学生にとって、この授業で得た新しい経験や見方が、今後の制作の下地になったら嬉しいです。

◆ 私にとって織りとは? 「レンズ」

制作をし、スクールで働くことによって身につけた織りの感覚がいつも自然と動いている気がします。日常生活の中で路面表示の矢のマークなどが絣の模様に見えたり、ものを測るのに織りの道具が基準になったりと、無意識のうちに織物のレンズを通して物事を見ていることに気づきました。同時に視野を広げて、織物の長い歴史の中での自分の役割は何だろう、と考えています。

(文・表 江麻)

〈表 江麻プロフィール〉
Instagram: @emma.omote

おもて・えま/京都精華大学芸術学部造形学科洋画科卒業後、川島テキスタイルスクール専攻科修了。着物を制作し、2009年より川島テキスタイルスクールで国内外の学生を教える。

在校生の声(専門コース本科) 2

2020年4月に専門コース本科に入学した方々の声を紹介します。そのうち3名に入学の動機や、織りとの向き合い方、4カ月を経た実感などについて今の率直な想いを語ってもらいました。3回シリーズでお届けします。

「織りの世界の奥深さを感じ始めて」神田愛子

東京の美術大学を休学して学びに来ています。大学では空間デザイン専攻ですが、布が好きで、自分で制作できれば幅が広がるので、作家として自立できる技術を身につける目的でここにいます。

スクールを知ったのは、大学2年の夏。ファッションの授業で川島織物((株)川島織物セルコン)の製品の画像を見たのがきっかけです。当時、卒業後は就職という固定観念がありましたが、同時期に民芸展で見た映像に刺激を受け、いろんな生き方があると知り、私も好きなことに飛び込んでみようと心を決めました。

見学時、在校生の作品や、修了展に向けた制作風景、数々のタペストリーを目にして、入学したら作れるようになる姿を思い描き、ここでなら私自身、大きく変われると思ったのです。同じ大学のテキスタイル学科への転科も選択肢にありましたが、このスクールは授業の密度が高く、織機の種類も豊富で様々な織法を学べるので、幅広く経験しながら自分に合う織りを見つけられると思います。

今は、織りの奥深さを感じ始めています。糸や布の表情の違い、織りの自由度を知り、異素材とのかけ合わせに興味が湧いています。今まで知らなかった織りの可能性が見えてワクワクしています。


在校生の声(専門コース本科) 1

2020年4月に専門コース本科に入学した方々の声を紹介します。そのうち3名に入学の動機や、織りとの向き合い方、4カ月を経た実感などについて今の率直な想いを語ってもらいました。3回シリーズでお届けします。

「自分の在り方、生活全体で変化を感じるように」Nさん

「はじめての織り」からワークショップをいくつか受講。そこで出会った受講仲間の多様で自立した生き方に魅力を感じて、私も自分なりの土台を作りたいと、基礎からしっかりと学べる専門コースへ進学しました。

子育てが落ち着き、今後の人生を考えた時に、織物の仕事に携わった祖父母を思い出したのが、織りへの興味の始まりです。中でもショールが好きで、人を温めるもの、身にまとった人が幸せな方向に向かう手助けになるような本物を、いつか作りたい。まずは色彩や素材を知り、デザイン力を身につけること。いざ、ものづくりを始めて、イメージを形にすることの難しさを感じていますが、最近少しずつ、先生のアドバイスの意味がわかるようになってきました。

平行して普段の生活でも、物事に取り組む姿勢、自分の在り方そのものに変化を感じています。自分の気持ちを表現する大切さを知り、どうすれば相手に伝わるかを考えて行動するようになりました。家庭との両立は大変なこともありますが、年齢や背景の違う仲間や先生との関わりにいい刺激をもらい、助けられています。自然豊かな環境の下、自分と向き合い、精神を注いで織る感覚が好き。織りを通して、生活全体で自分を高められる時間を過ごしています。


スクールをつづる 8

創立47年の歩みをたぐり寄せながら、現在のスクールのことをご紹介する全8回シリーズ。

どんな先生たちがいるの?

本科織実習 綴

それぞれの技能や経験を生かして指導しています。
専任講師の中には、川島織物で藤ノ木古墳の復元織物などに関わった熟練の染色の専門家や、
スクールで40年近く、ホームスパン一筋で教えている講師も。

他に綴、着物、帯、組織、絣を専門とする専任講師がいます。
皆に共通しているのは、織物に出会って魅せられ、純粋に好きであること。
その伝統に敬意を持ち、美しい織物作りを大切にし、織りを通して
一人ひとりの暮らしが心豊かになるように願って、丁寧にサポートしています。

外部からもアーティスト、デザイナー、技術者などを講師に招き、刺激と安定感とのバランスで、
風通しのいい環境を作っています。


※「スクールをつづる」シリーズは以上です。次回シリーズは「在校生の声(専門コース本科)」です(8/18初回配信予定)。


スクールをつづる 1 学校のなりたちは?
スクールをつづる 2 どんな学校?
スクールをつづる 3 どこにあるの?
スクールをつづる 4 どんな環境?
スクールをつづる 5 どんなコースがあるの?
スクールをつづる 6 専門コースはどんな授業?
スクールをつづる 7 どんな人がどんな目的で学びに来るの?

スクールをつづる 7

創立47年の歩みをたぐり寄せながら、現在のスクールのことをご紹介する全8回シリーズ。

どんな人がどんな目的で学びに来るの?

修了生の水野友美さん。大学でファッションを学び、舞台衣装の制作に携わっていました。

専門コースには高校や大学を卒業後に、社会人のキャリアチェンジや、家業の継承、
ワークショップ受講がきっかけで専門コースに踏み出す人もいます。
全国各地から、そしてスクールで学ぶために日本語を勉強してから 入学する海外からの方もいます。

テキスタイルを専攻していた人だけでなく、インテリア、絵画、デザイン、繊維、建築など
布を通して多面的なバックグラウンドを持つ方が集まります。
それだけ織物は奥深い世界がいろんな方向に広がっているという表れなのかもしれません。
自分の進む道や、暮らしを見直したいという転換期に、一生できる仕事として、
暮らしの原点につながる手織りを学びたいという方も増えています。


スクールをつづる 1 学校のなりたちは?
スクールをつづる 2 どんな学校?
スクールをつづる 3 どこにあるの?
スクールをつづる 4 どんな環境?
スクールをつづる 5 どんなコースがあるの?
スクールをつづる 6 専門コースはどんな授業?

夏期休暇のお知らせ

誠に勝手ながら下記の期間におきまして夏期休暇とさせていただきます。

夏期休暇:8月8日(土)~8月16日(日)

なお、商品の発送分締め切りは8月5日(水)受注分まで、
最終出荷は8月6日(木)とさせていただきます。
※在庫状況により、最終出荷日までに商品が発送できない場合があります。

期間中にいただきましたご注文、及びお問い合わせにつきましては、
8月17日(月)以降に順次回答させていただきます。
なお、期間中はFAXまたはメールでのご注文をよろしくお願い致します。

当スクール宛のお荷物は17日正午以降での配送をご指定ください。

ご迷惑をお掛け致しますが、何卒よろしくお願い申し上げます。