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在校生の声(専門コース本科) 1

2020年4月に専門コース本科に入学した方々の声を紹介します。そのうち3名に入学の動機や、織りとの向き合い方、4カ月を経た実感などについて今の率直な想いを語ってもらいました。3回シリーズでお届けします。

「自分の在り方、生活全体で変化を感じるように」Nさん

「はじめての織り」からワークショップをいくつか受講。そこで出会った受講仲間の多様で自立した生き方に魅力を感じて、私も自分なりの土台を作りたいと、基礎からしっかりと学べる専門コースへ進学しました。

子育てが落ち着き、今後の人生を考えた時に、織物の仕事に携わった祖父母を思い出したのが、織りへの興味の始まりです。中でもショールが好きで、人を温めるもの、身にまとった人が幸せな方向に向かう手助けになるような本物を、いつか作りたい。まずは色彩や素材を知り、デザイン力を身につけること。いざ、ものづくりを始めて、イメージを形にすることの難しさを感じていますが、最近少しずつ、先生のアドバイスの意味がわかるようになってきました。

平行して普段の生活でも、物事に取り組む姿勢、自分の在り方そのものに変化を感じています。自分の気持ちを表現する大切さを知り、どうすれば相手に伝わるかを考えて行動するようになりました。家庭との両立は大変なこともありますが、年齢や背景の違う仲間や先生との関わりにいい刺激をもらい、助けられています。自然豊かな環境の下、自分と向き合い、精神を注いで織る感覚が好き。織りを通して、生活全体で自分を高められる時間を過ごしています。


スクールをつづる 8

創立47年の歩みをたぐり寄せながら、現在のスクールのことをご紹介する全8回シリーズ。

どんな先生たちがいるの?

本科織実習 綴

それぞれの技能や経験を生かして指導しています。
専任講師の中には、川島織物で藤ノ木古墳の復元織物などに関わった熟練の染色の専門家や、
スクールで40年近く、ホームスパン一筋で教えている講師も。

他に綴、着物、帯、組織、絣を専門とする専任講師がいます。
皆に共通しているのは、織物に出会って魅せられ、純粋に好きであること。
その伝統に敬意を持ち、美しい織物作りを大切にし、織りを通して
一人ひとりの暮らしが心豊かになるように願って、丁寧にサポートしています。

外部からもアーティスト、デザイナー、技術者などを講師に招き、刺激と安定感とのバランスで、
風通しのいい環境を作っています。


※「スクールをつづる」シリーズは以上です。次回シリーズは「在校生の声(専門コース本科)」です(8/18初回配信予定)。


スクールをつづる 1 学校のなりたちは?
スクールをつづる 2 どんな学校?
スクールをつづる 3 どこにあるの?
スクールをつづる 4 どんな環境?
スクールをつづる 5 どんなコースがあるの?
スクールをつづる 6 専門コースはどんな授業?
スクールをつづる 7 どんな人がどんな目的で学びに来るの?

スクールをつづる 7

創立47年の歩みをたぐり寄せながら、現在のスクールのことをご紹介する全8回シリーズ。

どんな人がどんな目的で学びに来るの?

修了生の水野友美さん。大学でファッションを学び、舞台衣装の制作に携わっていました。

専門コースには高校や大学を卒業後に、社会人のキャリアチェンジや、家業の継承、
ワークショップ受講がきっかけで専門コースに踏み出す人もいます。
全国各地から、そしてスクールで学ぶために日本語を勉強してから 入学する海外からの方もいます。

テキスタイルを専攻していた人だけでなく、インテリア、絵画、デザイン、繊維、建築など
布を通して多面的なバックグラウンドを持つ方が集まります。
それだけ織物は奥深い世界がいろんな方向に広がっているという表れなのかもしれません。
自分の進む道や、暮らしを見直したいという転換期に、一生できる仕事として、
暮らしの原点につながる手織りを学びたいという方も増えています。


スクールをつづる 1 学校のなりたちは?
スクールをつづる 2 どんな学校?
スクールをつづる 3 どこにあるの?
スクールをつづる 4 どんな環境?
スクールをつづる 5 どんなコースがあるの?
スクールをつづる 6 専門コースはどんな授業?

夏期休暇のお知らせ

誠に勝手ながら下記の期間におきまして夏期休暇とさせていただきます。

夏期休暇:8月8日(土)~8月16日(日)

なお、商品の発送分締め切りは8月5日(水)受注分まで、
最終出荷は8月6日(木)とさせていただきます。
※在庫状況により、最終出荷日までに商品が発送できない場合があります。

期間中にいただきましたご注文、及びお問い合わせにつきましては、
8月17日(月)以降に順次回答させていただきます。
なお、期間中はFAXまたはメールでのご注文をよろしくお願い致します。

当スクール宛のお荷物は17日正午以降での配送をご指定ください。

ご迷惑をお掛け致しますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

スクールをつづる 6

創立47年の歩みをたぐり寄せながら、現在のスクールのことをご紹介する全8回シリーズ。

専門コースはどんな授業?

本科グループ制作
スウェーデン、ストックホルムにある提携校 HV Skola
年間を通して織物に打ち込み、染織を総合的に習得できます。
1年目の本科は、糸染めから織の全工程を学び、密度の高い基礎授業を通して、
基本技法の習得と表現力を養います。

2年目の専攻科は、具体的な目的を持って作品を制作し、
希望する分野の企画制作からプレゼンテーションまでを学びます。

3年目の創作科は、スウェーデンの HV Skola への交換留学や国内外のコンペに参加し、
自立して創作を続けていくためのスキルを身につけます。


スクールをつづる 1 学校のなりたちは?
スクールをつづる 2 どんな学校?
スクールをつづる 3 どこにあるの?
スクールをつづる 4 どんな環境?
スクールをつづる 5 どんなコースがあるの?

スクールをつづる 5

創立47年の歩みをたぐり寄せながら、現在のスクールのことをご紹介する全8回シリーズ。

どんなコースがあるの?

専門コース本科修了制作(上山清香)
技術研修コース(駒田桃子)
スクールの基盤は「専門コース」。染織技術とデザインを基礎から学び、
将来自立して創作できることを目指し、1年ごとにスキルを深めていきます。
織経験者が対象の「技術研修コース」は、テーマと期間を決めて、組織や素材の研究から制作までを行います。

海外向けには、英語で授業を行う「留学生コース」(春・秋定期開催)と「海外ワークショップ」も。
海外の旅行グループ用に、体験から専門的な染織まで希望に合わせたワークショップにも対応しています。

「ワークショップ」は、短期間(1〜10日間)で一つの技法を習得します。
手織りの基本、組織・綴・手紡ぎ糸づくり・染色(天然・化学)などの技術を個々に習い、
作家・研究者から制作のヒントを得ることができます。


スクールをつづる 1 学校のなりたちは?
スクールをつづる 2 どんな学校?
スクールをつづる 3 どこにあるの?
スクールをつづる 4 どんな環境?

スクールの窓から 1 「表現論」

川島テキスタイルスクールの専門コースでは、様々な先生が教えています。専任講師をはじめ、外部からも作家や技術者などを講師に招き、風通しのいい環境を作っています。このコーナーでは、そんな専門コースの授業の一部をご紹介します。(不定期掲載)

7月9日、「表現論」の授業で繊維造形作家の堤加奈恵さんを講師に招き、「わたしがみた フィンランドのこと、テキスタイルのこと」というテーマで、作品や資料を見ながら、海外留学の体験談をお話いただきました。堤さんの織りに向き合う真摯な姿勢に触れたひとときとなりました。

大学院を修了後の7年間、綴織のタペストリー制作に励んできた堤さん。2018年〜19年の9カ月間の海外滞在を機に作風が大きく変化しました。日本で生まれ育った自らのルーツに興味を抱き、座布団から着想を得るなど日本の染織工芸品を取り上げて、自身で織った布を造形作品として発表するように。レクチャーは、そんな影響を受けたフィンランド滞在について、助成金付き留学制度応募から、滞在計画の立て方、伝統工芸のRyijy(リュイユ/ルイユ)織りと収集家との交流、植物染色、個展開催など堤さんの経験をなぞるように進んでいきました。

学生に向けては「5年、10年後、こんな自分になれたら素敵だなと思える経験を今、 フットワーク軽くやってみるといいです」「見えない未来を想像して不安に思っても、明日、一週間後にぱっとひらめくことがあるかもしれない。その時が来るまで、今、目の前にあることを精一杯頑張ればいい」とまっすぐに語られました。

◆ 堤さんにとって織りとは? 「人生を楽しくしてくれたもの」

「私は元々、絵が好きで美大(京都精華大学)に入ったのですが、自分が描く線にコンプレックスが強かったんです。そこで綴織に出会い、線が忠実に再現されない面白さに触れ、作るのが楽しくなりました。綴れを織る時、爪で押し下げる布の重量感が好き。織りは私の人生を楽しくしてくれたものです。」


〈堤加奈恵さんプロフィール〉

Facebook: @lanlanae
Instagram: @tsutsumikanae1006

つつみ・かなえ/
繊維の蓄積により生み出されるディテールと、経と緯の組織の成り立ちから生じる一種の不自由さ、単純と複雑の両面を持ち合わせた織り機に面白みを感じ、「織る事」をベースにして作品制作をしている。京都精華大学大学院芸術研究科染織領域修了。2015年より同大学芸術学部造形学科テキスタイル専攻非常勤講師。