専攻科

スクールの窓から:人の目を引く不思議な織物 綟り織り「紗・絽・羅」

暑さが増す時期、風通しのいい「紗」や「絽」、「羅」の織物は見た目に涼やか。専門コース専攻科(2年次)で「綟(もじ)り織り」の授業が行われました。講師は、染織作家の小田芽羅さん。綟り織りは隣り合う経糸を絡ませる、特殊な組織織りとして位置付けられています。授業では、2本の経糸が互いに絡み合う「紗」と、紗を織った後に平織りを織る「絽」を取り混ぜて一枚のショールを作り、更に紗と絽を変化させた組織サンプルを織りました。

小田講師は紗と絽、そして経糸がより複雑に絡み合う「羅」のサンプルを見せて織物の特徴を説明。さらに自身が手がけた作品で、新聞紙を緯糸に用いて羅の技法で制作したタペストリーを見せてくれました。糸を絡み合わせる特殊な織り方に、生徒たちは身を乗り出して興味津々に。織り目の隙間から向こうが透けて見えるこの特殊な織物には、人の目を引く何かがあるようです。

実習は、綟る仕組みを理解するところから。必要なのは「ふるえ」と呼ばれる道具で、自分で作ります。カタン糸で均一の大きさの輪を作り、それを機がけした経糸の半数分用意。綜絖枠に取り付け、綜絖に通した糸を更にふるえに通して織ることで、経糸を絡ませる仕組み。「こんなシンプルな装置でできるの?」「これまで経糸を動かすという発想がなかった」と生徒たちは驚きながらも、「踏み木を踏んだら、経糸がねじれて出てくる」と新たな織りに引き込まれていました。

昨年に入学し、一年を通して染織の基本を身に付けた専攻科の学生たち。基礎を習得しているからこそ、「これまで織ってきたやり方と全く違う。経糸がねじれているので、織っている時の感覚も違う」とこの織物の特殊さを理解して、「もっと織りたい」と夢中になっていきます。

小田講師は、川島テキスタイルスクール(KTS)の修了生。「KTSで初めて織りを学んだ37年前、アトリエで羅の作品を見て感動し、引きずりこまれました」と話し、在学時に制作した羅の作品と共に、一冊のノートを開いて手書きの組織図を見せてくれました。ノートには当時の染めと織りの学びの記録が詰まっています。それを「私のバイブル」と言って、今も大切に活用している小田講師。3日間の授業を通して繰り返しアドバイスしていたのは、メモを取るということ。「組織が理解できたら、その組み合わせでデザインを変えていけます。それぞれの踏み順などを必ず書いておいてください」「メモしたことが何十年後も生きる。経験がよみがえって、それが糧にもなる。今分かっていても書かないと消える。記録は大事です」

指導の合間に小田講師は紗を変化させたサンプルを織り、課題の講評と合わせて紹介。柄を自在に変えていける可能性を目の当たりにした学生は、「幅広い表現ができるのが面白い」と目を輝かせていました。そんなさりげない楽しさの演出は、小田講師の体からにじむもの。そう感じたのは、小田講師自身もKTSの同じアトリエ空間で学び、染織作家として活動を続けてこられた原点に、ここで織りの喜びを得たことがあるからかもしれません。学生に手渡すのは、技術だけではない。時間の経過が深みとなって思いをめぐらせ、織りを続けていく道筋を示しているような授業でした。

◆  小田先生にとって織りとは? 「伴侶」

私が唯一ずっと続けているのが、織り。今も織っていると心が弾み、立ち上がって「楽しい!」と声に出す時も(笑)。作る時の感情は常に大事にしたい。手を通して作品に流れ込み、見る人にも伝わるので。羅は不思議な織物。どうやって織るの?と皆がのぞき込む。私は、その伝統技術を使って「私の表現」をして、知識を深めると共に自由に変化していく。織りは、そんな私と一緒にいてくれる伴侶です。

〈小田芽羅さんプロフィール〉

おだ・めら/1984年川島テキスタイルスクール修了、1989年京都市立芸術大学染織専攻卒業。新聞紙で織るタペストリーを制作。中学・高校の教師を経て、アトリエ・ヒュー工房を設立。現在、高校、大学の非常勤講師。新匠工芸会会員、京都工芸美術作家協会会員。

website: Atelier hue

「妥協しない丁寧なものづくりを」(株)川島織物セルコンで帯の商品開発のインターンシップ

デザインから意匠図、試作品へ

川島テキスタイルスクール(KTS)の専門コース専攻科(2年次)では、希望者は(株)川島織物セルコンでインターンシップを経験することができます。2021年度は呉服開発グループで10日間のインターンシップ・プログラムを設け、専門家数人の指導を受けながら、企画開発から生産までの流れを学び、製作現場で帯をデザインして試作、プレゼンテーションまでを行いました。KTSは、(株)川島織物(現・川島織物セルコン)が1973年に設立した学校。手織りを教え、社会でその技術と表現力を活かせるように、独自の教育を続けて48年になります。そんな企業とのつながりがあるからこその充実した研修が実現できました。

参加を希望した学生たちには「一流ブランドの帯の生産現場に興味があり、この先自分が商品としてものづくりをする姿勢などを勉強したい」、「将来やりたいことを明確にしていきたい」という動機がありました。スクールでは作品制作を行い、個々の表現力を伸ばすのに軸を置いているのに対し、今回のインターンでは、用途や対象を設定し、ニーズに合わせた名古屋帯の商品作りを経験。実務を通して、その違いを体感できたのは大きかったようです。普段会社で開かれている図案研究会にも参加し、作り手や売り手が集って意見を出し合う場や、帯の企画の過程を間近で見て「商品として成り立つか客観的に捉える」「チームで一つの商品を作る」という視点を得られたと言います。

自ら考えたデザインを織物にしていくために、紋作成ソフトを使ってドット(点)で描画にする意匠図作りも経験。「たった1ドットで形が変わるので、より良い形になるように何度も熟考して試しました。そこで妥協せずに丁寧に取り組めたのは、細部にわたる指導と、一つひとつの工程に時間をいただけたから」。作品と商品の違いはあっても、妥協しない丁寧なものづくりはスクールの姿勢にも通じていて、学生はインターンシップを通じて、その意識を更に深めたようです。

学生からは「しっかりと自分の中に落とし込むことができて、有意義な10日間でした」、「社員の方は担当の業務を行いながら全体の流れを把握し、ものを作るだけではなく、営業の方々とも協力して商品がお客様に渡るまで、渡ってからどう使われるのかを視野に入れて取り組んでおられる。そんな一つの商品ができるプロセスがとても勉強になりました」という感想がありました。受け入れ側の社員の方からは、「生徒さんにどのように指導したら伝わるのか等、改めて自分たちの仕事を客観的に捉えることができました」という所感がありました。

スクールは織りに没頭して自分と向き合い、ものづくりを通して可能性を広げていける場。作品と商品、異なる趣旨のものづくりを学んだ学生たちが、この先、どのように自らの織りの道筋を立てていくのか楽しみです。

オープンスクール開催!(8月28日、9月11日、10月2日、10月16日〈事前予約、いずれも土曜。8月分は10時・14時から、9月以降分は10時・13時・15時から〉。見学の際、実際に機織りを体験していただけます〈専門コース本科の入学希望者のみ〉、他の日をご希望の方はご相談ください。)

スクールをつづる:国際編8 修了生インタビュー「世代をまたいだ繋がり、日本語習得して長期留学」陳 湘璇さん

川島テキスタイルスクール(KTS)を紹介するシリーズの国際編。第8回からは3週にわたり、かつてスクールで学んだ方が修了後にテキスタイルを教えて、今度はその生徒の方が学びに来るというKTS独自の繋がりが育まれた修了生インタビューをお届けします。台湾で衣装デザインの仕事をしていた陳湘璇さんは、かつてKTSで学んだ先生からスクールの話を聞いたことがきっかけで、専門コース進学を決めて来日。日本語学校で語学力を身につけた上で、スクールで2年学んだ方です。その経緯と陳さんの思い、KTSの学びで印象深かったこと、自身が考える織りとは、などについて話を伺いました。

家書4/1/20-6/7/20 mom, i’m fine 4/1/20-6/7/20
「コロナの災いから発想した作品です。」
「Kyoto Art for Tomorrow 2021 ―京都府新鋭選抜展―」に出展予定)

陳 湘璇さん(台湾)
綴織職人(株式会社川島織物セルコン勤務)、作家
日本在住
2018年4月専門コース入学、20年3月専攻科修了

−−台湾で衣装デザインの仕事をしていた陳さんが、日本に留学してまでテキスタイルを学びたいと思った経緯を教えてください。

大学生の頃、アルバイト先の関係で、初めて天然染色のことを知りました。自分で手作りブランドも始めていて、知り合いの藍染の作家さんに藍甕(あいがめ)を使わせてもらって作品を作ったことから、染色の興味を深めました。その後も映画の衣装デザインの仕事を通して色々な布に触れるようになり、モダンなテキスタイルから古布まで様々な布との出会いが楽しかった。その中でも、ずっと日本の伝統染織に魅了されていました。よく通っていた布市場に日本生地の輸入専門店があって、そこで売られていた擬古布の生地が、模倣で作られたものでも質感や柄がすごく素敵でした。

より染織のことを知りたくなり、台湾の国立工芸研究センターで天然染織の研修を受けました。しかし短期で学べることには限りがあり、それに途中でどうしてもやりたい仕事が入ってきたので、織りの授業を受けずにやめざるを得ませんでした。その後、もっと学びたいという気持ちがずっとあったので、染織を学べる学校を調べました。行先は、最初から日本と決めていましたが、どこで本格的に伝統染織を学べるかは分かりませんでした。美大の大学院も考えましたが、実践の技術を学ぶのとは方向が違い、私が学びたい分野の専門学校も見つからずに悩んでいました。

そんな時、国立工芸研究センターで、私が受けた研修の担当の先生から、30数年前にKTSに通っていたという2人の先生を紹介いただいたんです。(その先生方は研修で基礎織の担当でしたが、私は織りの授業に参加できなかったため、研修中はあまり話せませんでした。)

−−かつてKTSで学んだ先生と出会い、どのような経緯でこのスクールを勧められたのでしょうか?

先生たちが教えてくれたのは、KTSの良い所は、染織の学校として織物の仕組みや技術的な事をたくさん学べること。学歴を気にしないなら(単位・学位制度が設けられていないため)、美大よりKTSの方を推奨するとのことでした。

そして、日本は世界の中でも織物に関する資料が充実していて、それは昔から世界各地から伝わってきたものをきちんと保管してきたからだそうです。先生たちがKTSに通うことにしたのも、当時、台湾工芸の父と呼ばれていた顏水龍という先生が紹介してくださったそうで、当時のKTSは紹介がないとなかなか入れない学校だったと聞きました。

当時、先生たちはKTSで織り組織について多く教わったそうです。話を聞いて特に面白かったのは、1人じゃ学び切れない内容だったので、2人それぞれ違う技術を学んで互いに教え合ったそうです。KTSで、本当に染織に対する豊富な知識と技術を得たようです。

願い (2020)
「古書と麻のフサ耳をメインに使った作品です。
素材の再利用は自分の中では常に求めていること。」

−−陳さん自身、日本語学校を経てKTSに入学した経緯は?

話を聞いて、すぐにKTSのことを調べてみました。学校のウェブサイトを見て、確かに色々な技法が学べそうだと思いました。英語で行う授業もありましたが、1年以上の長期コースはすべて日本語の授業とのことで、日本語を本格的に学び始めました。

実を言えば、海外留学は私の人生の予想外のことでした。行くのを決めた時はもう25歳で、一番頑張らなきゃいけない段階だと思っていました。それで、あまり日本語の勉強に時間をかけ過ぎると本来の目的に進めないと思い、台湾で仕事をしながら半年ほど独学で基礎を身につけてから京都に来ました。日本語学校での学習期間もなるべく短くし、日常で学校以外の場所でなるべく日本人と喋るようにしていました。半年通って日本語能力試験のN3レベルまで学んで卒業し、KTSに入学。

日本語能力について、一般の大学ではN2相当レベル以上が必要ですが、KTSはそこを気にせず受け入れてもらえて、本当にありがたかったです。その後も、コミュニケーションで丁寧に対応してもらえました。自分の日本語力に心配はありましたが、これ以上時間を費やすのは無駄だと思い、早くやりたいことやる方が大事だと私は信じていました。それでも、KTSに入ったばかりの頃は毎日ドキドキしていました。スクールで学んだ2年間は、本当にあっという間でした。

−−KTSでの学びで印象深かったことはありますか?

スクールで初めて織りに触れて、糸が扱えるようになったことを、未だに不思議に思う時があります。そして一番印象深く、大事なことを改めて考えると、それはテキスタイルの世界の視野が広がったことだと思います。専任の先生たちの他にも、作家や非常勤の先生など、色々な方のレクチャーを受けられて、創作をもっと自由に考えられようになりました。

台湾では大学卒業後、段々と自分のための創作に時間を費やすことが出来なくなりましたが、日本に来てKTSで学んだことで、改めて創作する楽しさを再発見できました。元々テクスチャ感のあるものが好きな私は、染織を学んだお陰で作品に使えるメディアや技法が増えて、異なる素材や織り組織で、より多様な表現ができるようになった気がします。この2年間がなければ、織物に対する視野が狭いままになっていたのではないかと。(今も狭い方だと思いますが・笑。)

−−陳さんにとって織りとは?

私が思う織物とは、時間と空間と思いの集合体です。織物は、他の動物にはなく人類にしかない物の一つであり、昔も今の人々も、その時代の風土や社会の風習に沿って織物を作っている。機能的でありながら、感性的でもある。例えば、なぜ昔の貴族の衣装をあれほど時間かけて刺繍するのか、なぜ原住民達の織物に抽象的な柄が必要なのか、斜紋織はどのような背景や需要によって発明されたのか、など織物は本当に奥深いと人に思わせる。一枚の織物に実は大量のメッセージが入っていて、それを味わうのがとても面白いと思います。

産業革命以降、現代の過剰生産に至るまで、織物に含まれた意味は無くなってきている傾向があるようですが、だからこそ、このような時代で、どのように、何のためにテキスタイルの作品を作るのかを常に考えながら、自分に問わなきゃならないと思います。

*陳さんの作品は、2021年1月23日から京都文化博物館で開催される「Kyoto Art for Tomorrow 2021 ―京都府新鋭選抜展―」に出展されます。

outsider in the dream (2019)
(Japan Textile Contest 2019 学生の部シーズ賞)
instagram: @shung_shouko

2020年にinstagramに掲載した 陳さんの「修了生の声」の記事です。

スクールの窓から 1 「表現論」

川島テキスタイルスクールの専門コースでは、様々な先生が教えています。専任講師をはじめ、外部からも作家や技術者などを講師に招き、風通しのいい環境を作っています。このコーナーでは、そんな専門コースの授業の一部をご紹介します。(不定期掲載)

7月9日、「表現論」の授業で繊維造形作家の堤加奈恵さんを講師に招き、「わたしがみた フィンランドのこと、テキスタイルのこと」というテーマで、作品や資料を見ながら、海外留学の体験談をお話いただきました。堤さんの織りに向き合う真摯な姿勢に触れたひとときとなりました。

大学院を修了後の7年間、綴織のタペストリー制作に励んできた堤さん。2018年〜19年の9カ月間の海外滞在を機に作風が大きく変化しました。日本で生まれ育った自らのルーツに興味を抱き、座布団から着想を得るなど日本の染織工芸品を取り上げて、自身で織った布を造形作品として発表するように。レクチャーは、そんな影響を受けたフィンランド滞在について、助成金付き留学制度応募から、滞在計画の立て方、伝統工芸のRyijy(リュイユ/ルイユ)織りと収集家との交流、植物染色、個展開催など堤さんの経験をなぞるように進んでいきました。

学生に向けては「5年、10年後、こんな自分になれたら素敵だなと思える経験を今、 フットワーク軽くやってみるといいです」「見えない未来を想像して不安に思っても、明日、一週間後にぱっとひらめくことがあるかもしれない。その時が来るまで、今、目の前にあることを精一杯頑張ればいい」とまっすぐに語られました。

◆ 堤さんにとって織りとは? 「人生を楽しくしてくれたもの」

「私は元々、絵が好きで美大(京都精華大学)に入ったのですが、自分が描く線にコンプレックスが強かったんです。そこで綴織に出会い、線が忠実に再現されない面白さに触れ、作るのが楽しくなりました。綴れを織る時、爪で押し下げる布の重量感が好き。織りは私の人生を楽しくしてくれたものです。」


〈堤加奈恵さんプロフィール〉

Facebook: @lanlanae
Instagram: @tsutsumikanae1006

つつみ・かなえ/
繊維の蓄積により生み出されるディテールと、経と緯の組織の成り立ちから生じる一種の不自由さ、単純と複雑の両面を持ち合わせた織り機に面白みを感じ、「織る事」をベースにして作品制作をしている。京都精華大学大学院芸術研究科染織領域修了。2015年より同大学芸術学部造形学科テキスタイル専攻非常勤講師。

紗と絽 専攻科 小郷晴子

小田芽羅先生による「竹糸で織る紗のストールと絽のランチョンマット」4日間のワークショップに参加しました。
口頭だけでは、どの様に織られているのか、理解する事が難しい仕組みでした。
ワークショップでは、機掛けから織りまで丁寧に教えて頂き、基本的な紗と絽の織りを理解する事が出来ました。
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出来上がった紗のストール

紗と絽を織る際にポイントとなるのが、綜絖と筬の間に仕掛ける、経糸を捩(もじ)る仕組みの半綜絖です。
半綜絖用のふるえは、経糸総本数の半本数、糸を輪っか状にはた結びし作りました。結ぶ際に、輪の大きさを揃えなければ、開口の揃い方にも影響するのですが、はた結びが苦手なので難しく、器用さが必要だと思いました。
今回、ふるえ用に使用したのは、綿100%のカタン糸で丈夫な糸だそうです。

紗のストールに使用した竹糸は、シルクの様なコットンの様な・・・、不思議な肌触りです。
竹の繊維を撚った単糸を6〜8本撚り合わせてある竹糸を使用したので、カタン糸に負けない強度があり、切れる心配が無く、整経も織りも進めやすい糸でした。

半綜絖は、開口があまり良くない為、開口のより良い天秤機を使用しました。けれども、半綜絖の開口は良くは無いので、注意してシャトルを通さなければならず、織り上がってから見直してみると、経糸の浮いてしまった箇所が有り残念に思います。捩り部分には隙間が出来、進められるスピードが速いので、気持ち良く織ることができます。
隙間が多く、紗や絽にしか無い、独特な風合いと、軽やかな仕上がりになりました。
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左:紗 右:絽

今回のワークショップは、5人の織り経験のある方々と一緒に教えて頂きました。
織りの基本は同じだけれど、少しずつ違った方法を、お互いに見聞きしました。
ワークショップに参加する度に、より良い方法を見出す事が出来、学べる事が多いです。

鶴屋吉信にて作品展示 専攻科 萩原千春

京都の老舗和菓子店の鶴屋吉信京都本店の一階店舗から二階茶屋•お休み処へと続く階段の踊り場に制作したタペストリーを展示して頂いています。
二階では職人さんが目の前で生菓子を作ってくれ、お抹茶と一緒に食べることが出来ます。
そんな素敵な空間に飾る為のタペストリーを作らせて頂くことになりとても嬉しく思いました。

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今回の作品のタイトルは「和敬清寂」で茶道にとても深い関わりのあることばです。
「和」…和合・調和・和楽
「敬」…お互いに敬い合う
「清」…清らかと言う意味ですが、目に見えるだけの清らかさだけでなく、
心の中も清らかであるということ。
「寂」…静寂・閑寂
というように一文字一文字に意味があります。

来店されたお客様に、職人さんが一つ一つ丁寧に心を込めて作ったお菓子を
落ち着いて召し上がって頂けるような空間にしたいという思いからこのテーマで制作をしました。

近くに寄られた際には、是非足を運んでみて下さい。
http://www.turuya.co.jp/tenpo/honten_top.html

2012 Miniartextil Como 専攻科 佐藤淳


今回、イタリアのコモで開催されている「2012 Miniartextil Como」に入選したので、展覧会を見に行ってきました。

会場はイタリア・ミラノの北部のコモという町にある「ヴィラ・オルモ」という18世紀末に建てられた貴族の邸宅で、そこの館の一階の各部屋を使っての展示でした。

今回は初めての応募、それも海外への応募だったので、入選が決まった後に作品を送ったときには壊れずに届くのだろうかと心配しましたが、ディスプレイされている自分の作品を見たときには、自分の作品とは思えないほど変わっていて、ディスプレイの重要性と、コンセプトや作品のサイズの重要性を再認識できました。

また自分自身、今回の展覧会の規模や格式などがあまり分かってなかったので実際に会場に行って見てみて、レベルの高さに驚いてしまいました。今回の展覧会には自分のほかにも何人かの日本人の方たちも入選され、その中のお一人は大賞を取っており、非常に刺激になる作品でした。

今回はイタリアに6日間の滞在予定でそのうちの1日をコモへ展覧会を見に行き、残りの5日間はミラノの観光バス(日本の鳩バスみたいなもの)を使ってミラノ市内を観光しました。「最後の晩餐」のある教会や、町の中心部にある大聖堂等の歴史のある建物が非常に多く、教会の装飾などが興味深かったです。